ネタです、その2。
クオリティが下がった感はあります。
深夜。
その人は、友人と山道をドライブしていた。
しばらく車を走らせていると、小腹が空いた友人は、買っておいたマ○ドナ○ドのチキンフィ○オを食べ始めた。
少し経ってからふと隣を見ると、お腹が膨れて眠たくなったのか、友人は眠っていた。
その人は、友人も眠ってしまったことだし、そろそろ帰ろうと思った。
その時、友人が突然ビクンッと、跳ねるように目を覚ました。
「どうかした?」
その人は声をかけた。
すると、友人は異常な行動を始めた。
手のひらを拝むようにして胸の前で合わせ、そのあと両手を胸の前で交差し、最後に勢いよく、バンザイのように両手を高く上げる。
「ラン、ラン、ルー」
その人は、突然の事態にどう対応すればいいか分からなかった。
寝惚けているだけなら、まだいい。
しかし……
友人は、狂ったようにその動作を繰り返した。
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
これを狂っていると言わずして、何と言うだろう?
その人は、ひとまず脇へ寄って車を停めた。
なんにせよ、どうにかしなければならない。
「おい、やめろよ。気味が悪い」
その人は友人の体を揺すった。
しかし、それでも友人はその行為をやめようとしない。
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
その人は、異常な事態に、とうとう耐えられなくなった。
「いい加減にしろよ!」
無理矢理、その行為をやめさせようと腕を抑えた。
「ラン、……」
しかし次の瞬間、その人は悲鳴を上げた。
……友人が、腕に噛み付いてきたのだ。
痛さよりも、まず恐怖があった。
ギリギリと、容赦なく友人の歯が腕にめり込んでくる。
袖に滲んだ血が、友人の口を赤く染めていた。
その人は堪らなくなって、腕を無理矢理引き剥がした。
腕には、友人の前歯が突き刺さっていた。
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
邪魔が無くなると、友人は口のまわりを真っ赤にしたまま、あの行為を再開した。
何かがおかしい。
その人は、車を降りて逃げようとした。
そして、ドアに手をかけた時、気付いてしまった。
……囲まれている。
車の周りを、異様に白い顔をして、口のまわりを真っ赤に染めた、大勢の「人間と思われる何か」が取り囲んでいるのだ。
「何か」は、一見ピエロのような姿だったが、明らかにそれとは異質なモノだった。
それらは皆一様に、あの行為を繰り返している。
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
体の震えが、止まらなかった。
その時、視線を感じて、その人は友人の方へ目を向けた。
……友人は、もう友人の姿をしていなかった。
「ドナ○ドは、体が勝手に動いちゃうんだ」
にたぁ
赤に染まった口を歪ませ、友人だった「何か」は、笑った。
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
「ラン、ラン、ルー」
その人は、大勢のピエロの中の一人となって、深い山の中へ消えて行った。
車の中には、マ○ドナ○ドの紙袋だけが残った。
-終わり-
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話