オレは今寿司屋のデリバリーのバイトをしている。
偏見かもしれないが、デリバリー業界の中で一番大変なのが寿司の配達だと思う。
寿司屋は鮮度が命の仕事であるため、時間厳守であるのは当たり前。
また形が崩れやすいにも関わらず、乗りにくいジャイロ(屋根が付いて後ろにボックスが搭載されてる原付き)での配達。
さらに、寿司屋は基本的に桶で配達するため、ピザ屋やカレー屋とは違い、翌日配達した自宅に桶を回収に行くという面倒なシステムでなりたっているのだ。
オレのバイト先の寿司屋には配達可能エリアがあり、マックスで片道20分もかかる。
さらには、都心だけでなく、もちろん辺鄙な片田舎も配達エリアとなっているのだ。
なので、必然的に変な道を通ったり、不気味な所にも配達行かないといけなくなる。
そのためか、オレのバイト先ではそういった怖い類いの話しがいくつもある。
1つ上の先輩は、桶回収に行った際、どうしても回収できない家があるという。
本来、出前の器は玄関の外に出しておくというルールがある。
しかし中には、出しておかない客もいるため、そういう場合はわざわざインターホンを押して回収しなけらばならない。
その先輩の話しではどうやら、そういう訳ではないらしい。
桶はキチンと玄関の外に出してある。しかし、入り口が大きな門で閉ざされているため、玄関の前の桶を取るためには門を開けなければならないのだ。
しかし門は鍵がかかっていて開かない。
仕方なくインターホンを押すも応答がない。
勝ってにのぼって回収するわけにもいかない。
どうすることも出来ないと家の前で走行する内に、一人の女性に声をかけられた。
その方は隣人で、困っていた先輩に気づき声をかけたのだ。
「どうしたの?」
「あ、あの、桶の回収に来たんですが入り口が開かなくて…」
「ここの家に?」
「はい。そうです」
「変ねぇ…」
そしてそのおばさんは答えたのだ。
「だってそこ誰も住んでないわよ」
??!!
恐くなった先輩はそのまま店に戻り、そのことを報告。
店では幽霊が寿司を頼んだのかと大盛り上がり。
しかしオレは素直に盛り上がれなかった。
なぜならその家に配達に行ったのはオレだから。
その先輩にも「幽霊に接客したのお前が初めてだなー」とからかわれて、オレ一人だっけテンション落ちている時だった。
一本の電話が鳴ったのだ。
なんとそれは今まさに話題に出てる幽霊屋敷からだった。
「あの…桶回収されてないんですけど…」
電話に出た先輩はなかば震えながら対応した。
そして、電話が終わると一方的にオレに回収してこいと押し付け、バカにした感じで笑っていた。
オレは仕方なく回収に行ったのだ。
そこでオレは恐ろしい事実を知らされる。
店にもどり、バイトの奴らから「幽霊屋敷どうだった?」「死ななくてよかったなー」などと茶化されたが、オレはそこで事実を打ち明けた。
「あの家の桶を回収したんですけど…いました。
人がいました!そこで桶を渡されました!!」
「まじで!うわー二度目じゃん!幽霊みたの!やばくね?取り憑いてんじゃね?」
と言って笑っていた先輩でしたが、無視して話しを続けた。
「いや、生きてる人間です!本物です!!」
「どういうこと?」
「そこの家の方に事情を説明したんですけど、そしたら…『おかしいわね?隣のそのおばちゃんなら1週間前に亡くなったんですよ』って…」
笑っていた先輩の顔が青ざめ、ものすごい勢いで震えはじめたのは言うまでもない。
これはバイト先でおきた本当にあった話しだ。
この話しはほんの1部なので、また機会があったら載せたいと思います。
乱文長文申し訳ない!
怖い話投稿:ホラーテラー 2Bさん
作者怖話
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