続きです。
暴力を振るう叔父は近所の人達から白い目でみられるようになり近所付き合いも悪くなっていた。そして評判が悪いのは叔父だけではなく少年にもあった。夜中だというのに1人で廃墟の病院に行ってダレもいない筈なのに話し声が聞こえてきて正直、不気味に思われていただろう。そこで近所の住人が少年に施設の話を持ちかけて来たのだ。
少年『ボク怖い…よ…向こうに行ったら…本当に1人なってしまうような気がして…』
少年はいつの間にか涙を流しながら話していた。少女もまた泣き声に変わっていたのだ。少年『ゴメンね。本当は笑顔でさよならを言いに来たのにさ。』
少年はそうだ!と言いポケットの中から一枚の写真を取り出した。
少年『この写真は去年に近所の人に撮ってもらったんだ』
そこには桜の木の下で叔父と二人で花見をした時の一枚の写真があった。二人とも幸せそうに笑っているたった一枚の写真。
少年『ボクの宝物。幽霊さんにあげるからボクの事忘れないでね。いつになるか分からないけどまた会いにくるから忘れないで…ね。ボクを…探してくれてありがとう…。』
少年は写真を椅子に置きゆっくりとその場を離れた。
少女『兄ちゃん~どこにいるのぉ~痛いよ~暗いよぉ。』
と泣き声が聞こえ、だんだん声が小さくなりやがて全く聞こえなくなった。
翌日ニュースで〇〇市行きの高速道路で事故が起きた事が分かった。少年が乗っていた車とトラックが接触し、道路からはみ出して下に落ちたらしいのだ。
それから数年後、廃墟の病院は壊され今は駐車場なっているのだが夜になると聞こえてくるらしいのだ。女の子の楽しそうな笑い声が。
少女『フフフっ。みぃ~~つけたぁ。兄ちゃん。おかえりなさい。』
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話