沖縄には“ユタ”と言って、霊媒師のような人がたくさんいます。
「友達の祖母がユタ」
「隣のおばぁがユタ」
なんて話はたくさんある。
そんな沖縄にはその人たちが修業をする場所があるんです。
僕たちはその場所のことを“ユタの修業場”と呼んで、心霊スポットに位置付けてよく遊び半分で行っていました。
↑そのままのネーミング(笑)
そして特にこのサイトには下記のように同じような人がたくさんいると思いますが…
僕たちは18歳をすぎて車を持ち始めたときから“心霊スポット巡り”が流行りだしました。
沖縄は特に夜になると遊び場がないですしね。
沖縄にはパンチの効いたスポットがたくさんあって、僕は沖縄のほとんどのスポットにまわって制覇した自信があります。
沖○市の廃墟ホテル、浦○市の元外人クラブ跡、知○村の世界遺産せい○ぁう○き、北部の○藤さん家跡、名○市の元レ○オホテル…
ほんの一部ですが、本当に若い頃のいい思い出の一部です。
それぞれ行った場所にも色々な不気味な話があるんですが、今回は自分が体験した中で一番怖かった話を書きます。
それこそ“いい思い出”にはなりえなかった話…
上記には書かなかったんですが、自分が知ってるスポットの中に“ユタの修業場”が2ヶ所あるんです。
たぶん沖縄にはもっとたくさんあると思いますが、僕たちのまわりの情報では知っているのは、中部と北部にある2ヶ所だけでした。
南部に住んでいた僕たちは、中部にある修業場にはよく行っていました。
宜野○市にある森○公園付近にあります。
“これ以上入ったら命の保障はありません”
とゆ−立て札があり、奥に進むと小さな鳥居がある。
正直な話それだけです。
いつも複数で行く僕たちにはあまり刺激はありませんでした。
高校生時代、その付近で飲み会をしているとき
“友達が発狂して森林に向かって走っていった”
って話もあるんですが、それも今では酔っ払いの笑い話です。
沖縄の心霊スポット=宜野○のユタの修業場
とゆ−ぐらい、ポピュラーでもありますし、舐めていた感はあると思います。
そこで出てくるのが“もう一つ”の場所です。
その場所は北部にあり、多少時間がかかるんです。
それでも本当に行きたいのなら、車がある僕たちには関係ないはずです。
でもこんなにまで“スポット巡り”が好きな僕たちなのに、1回も行ったことがなかった。
正直ちょっとビビっていたんです、僕ら。
“あの場所だけはやばい”
“シャレになってないよ”
“あそこまで行って命とられてくるば?”
“行くならユタも連れていけば?”
とか、すごい噂は昔から聞いていたから。
でも専門生になったある日、行くことになったんです。
男3人で向かいました。
“他の場所と変わらないだろ”
“これだけの人数だし大丈夫”
とか色々自分に言い聞かせました。
その場所に着きました。
恩○村タイ○ー○ーチ近くのコンビニ裏のほうにあります。
そしてビビっていた僕たちは行けるところまでは車で行こうとゆ−ことになったんです。
なんでそこまでして行くのか(笑)
今思えば病気ですね(笑)
そして少しすると、歩きじゃないと進めないぐらいの細道が見えました。
(遂に沖縄一と言われてる場所に行くのか)
そう考えながら車をおります。
僕はもちろんですが、残りの2人も心臓が飛び出そうなぐらいドキドキしている“顔”をしていました。
そして遂に歩き出そうとした瞬間でした。
「おい!お前ら何してるか?」
おっさんです。
普通そんな場所でおっさんを見たら“幽霊”とか“妖怪”とかの発想になるんですが、完璧に普通のおっさんでした。
少し酔ってるっぽい。
僕たちは苦笑いしながら答えます。
「いや〜ちょっと、肝試しを…(笑)ユタの修業場があると聞いたので(笑)おじさんも一緒に行きます?(笑)」
するとおっさんが…
「やった−ふらーか!?(お前らバカか!?)こんな場所遊び半分で来るなや−!知らんからよお前ら!」
と、おっさんはブチギレ。
そんなに執着もなかった僕たちは、日を改めるかと考え
「すいませんでした。帰ります。」
と言って車に乗り込みました。
そして軽く申し訳なかった風な会釈をおっさんにしたんです。
??
おっさんの様子がおかしい。
(バカども、見てみろ。)
と言わんばかりの表情で指をさしている。
さしているのは細道の奥。
だけど暗くてよく見えない。
3人でじ〜〜〜っと見てみる。
暗やみに慣れてきた。
見えた。
おばぁだ。
おばぁさんがここに向かって走ってきてる。
すごい形相だ。
やばい!!しに怖い!!逃げれ!!車早く!!終わってる!!殺される!!なんだばあれ!!
僕たち3人は声にならない声で叫びまくった。
運転してる友達は半べそ状態だった。
助手席の俺も半べそだった。
でもまだ恐怖は終わらなかった。
おっさんは「早く帰れ」のジェスチャーをしている。
おばぁはまだ走ってきている。
何か草みたいなのを投げ付けている。
左利きみたいだ。
車には乗り込んでいて、逃げている真っ最中だけど、状況が全て見える。
そうなんです。
“行けるとこまで車で行こう”
とゆ−ことだったので、方向転換するスペースなんてない幅だったんです。
バックで逃げるしかなかったんです。
運転してる奴と後部の奴がどこを見ていたかはわからないけど、僕は叫びながらずっと前を見ていました。
正確には後ろになるのかな?
徐々に近づいてくるおばぁと遠ざかっているおっさんの見える光景。
何度も夢に出ました。
結局はおばぁだったのでそれほど足も速くなかったし、友達の土壇場でのバック走行テクで追い付かれることはなく、50m行ったぐらいのとこにあるT字路で方向転換して逃げることができました。
でもいくらテクと言っても事故らなかったぐらいのことで、明るいとこで見てみると“勲章”のようにヘコみまくってボコボコの車になってました。
あのおばぁは幽霊だったのか。
ユタの人で「入ったら危険」と忠告して追い払ってくれたのか。
僕らを“敵”と間違えて本気で攻撃してくるつもりだったのか。
霊に操られて狂っていたのか。
あのおっさんは修業場の管理人なのか。
それともやっぱりこの世のものではなかったのか。
色々な謎が残りましたが、その日は恐怖と疲労で無言のまま帰りました。
あとから思うと、入らなくてよかったと思いました。
心霊スポットに踏み入れる前に、人生一怖い体験をするとは思わなかったです。
やっぱりあそこには行くべきじゃなかったと思いました。
今では僕が
“あの場所はやばい”
と忠告する立場です。
最後にもう一つ忠告があります。
僕らのように
“行けるところまでは車で行く”
とゆ−考えで、これから肝試しに行く人は…
バックで入って行きましょう。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話