短編2
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悪夢

3年前に見た、夢の話です。

夜、前に住んでいたマンションにいる夢でした。

そのマンションは、昔、廃材置き場だった場所で、目の前は墓地だったので、前にマンションに住んでいた頃は日常的に幽霊を見ていました。

近所にも、ちょっとした心霊スポットが2つくらいあって、空襲にあった幽霊がよく出るんだそうです。

夢の中で、部屋の中にいると、ピンポーン♪とインターンフォンが鳴りました。

見ると、共同玄関からでした。

「はい」と、受話器を取ってみると誰も出ません。

ピンポーン♪

またインターンフォンが鳴りました、次は玄関からです。

「はい、どちら様ですか」と、受話器を取ってみましたが、やはり「……」と無言のままです。

「誰かきたのかー」と、お父さんに聞かれました。

私は「わかんない、ちょっと見てくる。」と言って、玄関先まで行って、のぞき穴から外を見ました、そこには

40代くらいの、男の人と女の人がいました。

昭和初期の、「ほたるの墓」や「後ろの正面だあれ」に出てくるみたいな格好をして、ガリガリに痩せた、夫婦らしき人がうつむき加減で立っています。

不思議な事に、外の様子は、少しだけ黄ばんで見えました。

「誰だろう?」と、思った瞬間、ふたりは奇妙な音楽に合わせて踊り出しました。

盆踊りの様な振り付けで、テキパキと動いていました、ふたりからは全く生気を感じません。

気持ち悪い……

どうしようと思っていると、しつこく、ピンポーン♪ピンポーン♪と、鳴り出しました。

居間にいた家族が、不審がって玄関に来ました。私は何故か、「来ないで!インターンフォンにも、出ないで!」と叫んでいました。

ドアが、すごい力で開けられそうになります。

「どうして、鍵が開いてるの!?」と、私はお父さんに言いました。

家族は心配そうに、私を見つめていましたが、助けてくれません。

私は、しばらく必死でドアを引っ張っていましたが、遂に開けられてしまいました、

身長2メートルくらいの、太った透明な帽子を被った男が、玄関から部屋に入ってきました……。

そこで、私は飛び起きました、汗びっちょりでした。

本当に怖くて、しばらく夜眠れなかったです。

後でお父さんから聞いた話なんですが、あのマンションに引っ越した日の夜に、お父さんが居間にいると、玄関の廊下から誰かが歩いてくる音がしたそうです。

玄関付近に私の部屋があったので、お父さんは私が歩いてきたのかと思い「早く寝なさい」と言おうと思って、廊下付近を見ていると

歩いてきたのは、私ではなく、戦争中の兵隊の格好をした15歳くらいの少年だったそうです。

マンションに住んでいた頃、私もよく、誰もいない廊下から足音を聞いていました。

長文失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 麻子さん  

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