ある家にベビーシッターがやってきた。
子供は二人、両親は用事のために出掛けた。
出掛ける際に両親はベビーシッターに
「最近、殺人鬼Mというヤツが出没している。用心して、何かあったらすぐに警察を呼んでくれ。明日の朝には戻る」
そう言って出ていった。
夕方になるまで何事もなく過ごしていたが、一本の電話が入った。
「はい、もしもし?」
「………………」
「どちら様ですか?」
「………………」
気味が悪いのでベビーシッターは電話を切った。
しかし、また電話はかかってきた。
「もしもし?」
「…………………」
「もう!何なのよ!」
「……………………」
また切る。
しかし、またかかってくる。
「…もしもし?」
「…………あァ……」
「誰よアンタ!警察に連絡するからね!」
そう言って勢いよく切る。それでも同じような電話がくるのでとうとう警察に連絡した。
警察は次かかってきたら逆探知で居場所を突き止めるとのこと。
ベビーシッターは安心して仕事に戻った。
不思議と電話は来なくなり、夜になった。
ベビーシッターは子供達を二階のベッドに寝かせ、一階に戻った。
するとまた電話がかかってきた。
「もしもし?」
「………………」
「またアンタね、警察に逆探知してもらってるからすぐに居場所わかるわよ?覚悟しなさい。」
「………………」
ガチャ。電話が切れた。
するとすぐに電話が来た。
「もしもし警察ですけど!!早く逃げてください!!そいつはあなたの家の二階からかけています!」
その直後、二階から血の付いた包丁を持った男が降りてきた。
「……俺は殺人鬼Mだ。上の二人の子供はすでに殺した。……次はお前の番だ。」
男はニヤリと笑った。
しかし、男の予想とは裏腹にベビーシッターは冷静だった。
「……残念ながら。殺人鬼Mはあなたじゃないわ……」
男の目にはベビーシッターの手にある血糊の包丁が映った。
その後、警察が来ると、その家には子供二人と見るも無惨なオトコの死体があった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話