11年前…地方紙の一面を飾る事故があった。
深夜、○ーゲンが緩やかな右カーブを曲がりきれず、電柱に左側側面から激突。
車に乗っていた全員が外に投げ出され、全員死亡。
車は横に真っ二つになったそうだ。
この為、「あれはニコイチ(同じ色の同じ車種の2台の車を、前後で溶接して繋げたもの)だ」という人もいたが、真実は不明。
問題だったのは、運転手が20歳かそこらだったのはまだしも、他の亡くなった同乗者が全員高校生だったこと。
男子高校生一人、女子高校生三人。
田舎だから、親や学校の管理責任が問題視されたが、繋がりが密なせいか自然に消滅していった。
事故の後。
件の電柱に、10体以上の案山子が立てられた。
その案山子が、夜になると動く…そんな噂が流れたが、俺は不謹慎な奴が面白がって流したデマだと思ってた。
ある日、俺は友達と遊んで家に送り届けた後、その道路(県道)を車で走っていた。
例の事故現場に近づき、案山子が見えてきた。
「速」、「度」、「落」、「と」、「せ」…案山子の一つ一つに、一文字ずつ書かれた文字がある。
本当に緩やかな右カーブだ。
よほどスピード超過しない限り、事故など起こりようがない。
案山子を通り過ぎる時は目で、通り過ぎた後はミラーで見てゾッとした。
事故で亡くなった人と同じ、5体の案山子が俺の車が通り過ぎるのを、首を動かして見ていた。
サイドミラーで見た案山子は、首だけ振り返って俺の車を見送っていた…。
今は案山子は撤去されて、ガードレールが設置されている。
もともと、その県道は事故が多発している。
次は、ある踏切の話を投稿したいと思う。
怖い話投稿:ホラーテラー こうさん
作者怖話