ある真夜中、小学生のえつこは何かの異様な気配に目を覚ました。
特に周りに変わった様子はなくいつもの自分の部屋だった。
「気のせいかな……。
少しの恐怖を感じつつもまた寝直そうとして仰向けに寝たその時だった。
「ひっ…………。
体の金縛りと共にふと天井を見つめたえつこ。
そこには天井を透けて見える体の一人の少女がフワフワと自分を薄気味悪い笑みで見つめていたのだった。
声も体も言うことをきかない。何も出来ず恐怖の中、少女と自分との凝視が数分続いた頃、えつこはあることに気づいた。
(どこかで会ったことがある…………?
………違う!
これは私だ!!!!)
そう思った瞬間、金縛りがとけフッとえつこは気を失ってしまった。
(…………………。)
どれくらいの時間がたったのだろう?窓からは光がもれ、朝だということに安堵の息をもらす。
しかし安堵したのもつかの間。自分の状態にえつこは絶句した。
下に見えるのはいつものキッチン。一人の少女が母親の作った朝ご飯を食べている。
(あれは私…………!?)
母親は何事もなくキッチンで作業を続けている。
ふと少女が(自分が)天井を見た。
薄気味悪い笑みをニヤリと「えつこ」にむけると再び朝食を食す。
ひたすら母親を呼び続ける天井に浮かぶ
「えつこ」
の声は母親には全く届くことはなかった……。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話