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短編1
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走る者

あれは私が小学5年生の夏。

私は家の一階のリビングで、一人で大○愛の「さくらんぼ」を聴いていました。

歌も終盤を迎えたその時。

いきなり「ドンッ!!」と大きい音がしました。

最初は、「隣の家の人が車のドアか何かを思いっきり閉めたのかな。」と、気にもとめませんでした。

さて。気を取り直して歌の続きを聴くか。と思った次の瞬間…

「ドドドドドドドドドドドド!!」と、さっきとは比べものにならないくらい大きな音がしました。

そしてそれは自分の真上からしていることに気付いたのです。

家には私一人だけ…

最初は「泥棒だ!」と思い、隣の和室のタンスと壁の隙間に逃げ込み、身をひそめました。

「早くお母さんか誰か帰ってきてくれないかな…」と、静かに考えていました。

そしたらまた、「ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!」と大きな音がしました。

そしてその音は明らかに私の真上に移動していました。

私はその真相を確かめる勇気もなく、一番近くにあった窓から外に飛び出して、泣きながら一目散に友達の家にいきました。

その後は事情を説明して、友達と遊んでいた弟と妹に帰ってきてもらい、大人しくしていました。

今考えると、あの音は人が走る音よりテンポが速く、凄く不自然でした…

果たしてあの音の正体は何だったのでしょう…?

怖い話投稿:ホラーテラー るるさん  

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