突然ですが、私の名前は葉山喜一。ある情報会社のサラリーマンです。
これは平成22年1月1日(金)現在から三日前の出来事ですが、本当に起こった話です。
その日は取引先のプレゼンで使う画像の編集を先輩(同期だけど、入社が早かったから。)と残業して仕上げていました。相当疲れて家に帰ったのはてっぺん(十二時をこういう。)回ったときだった。
そのときは何とも思っていなかった出来事でした。
夜、何時ぐらいか分からないけど、いきなり体を揺すぶられた。
「ねえ、ねえってば。」
僕はこの年でも一人暮らしなのだ。ましてや彼女もいなかった。
じゃあ、隣にいるのは誰だ?
「・・・・・・・・・・。」
「ねえ、お腹すいてない?」
え?どういうことだ?
「・・・・・・・・・・。」
「何か食べに行こうよ。」
どういえばいいんだろう。
「もう、食べたよ。」
そういう言葉しか言えなかった。
「分かった。」
返事が返ってくると、気配は消えた。
二日前、ハードディスクのセットアップが終わったとき、先輩にその話をした。
「で、お腹すいたから何か食べに行こうよ、なんて言う幽霊だったんですよ。おかしいでしょ。」
「確かに馬鹿だな。」
「ですよね〜。んで、すっと消えるとか〜〜〜ww。
「ほんとだよ。幽霊が腹減ったって。」
「何食うんだって話ですよね〜。」
「えっ?」
「はい?」
「・・・。」
あれ、僕変なこと言ったっけ。
「あのさ、」
先輩の口が開いた。
「もしもだよ、」
「はい。」
「もしも、行こうって言ってたらさ、」
「あ、はい。」
「お前はどこで何を食わされたんだろうな。」
そうだ。もしこたえたらどうなっていたんだろう。
「あとさ、お前に言ったこと無かった個もしれないけどさ。おれ、霊感あるんだよ。」
「えっ?そうなんですか!?で、なにか憑いてます?」
「もう、家に帰らない方がいいぜ。」
「へ?」
「お前、今日連れてかれるぞ。」
大晦日、私はワンルームマンションに引っ越しました。
今、窓際でこれを書いています。
これは僕の身に起こった話ですが、あなたも注意してください。
先輩が言ってました。
「この話は移る。」と。
怖い話投稿:ホラーテラー きりんさん
作者怖話