福岡県民による、事件簿。
今回はある峠について起こったバトルです。
車の知識が多少ないと、わかりにくいと思いますのでスルーしてかまいません。
宮崎某所
この峠は1度しか行ったことないので正確な地理がわかりませんが、曖昧な記憶を思い出せる限り話をします。
その峠に友達の助手席に乗り走りに来てました。
友達は、ドリフト野郎でした。
ま、顔もかっこいいし長身だし優しいし…何より運転技術はピカイチで俺とは正反対ですよ。でも仲よかった。うん。俺はそう思っている。
深夜、2時過ぎにその峠の山頂付近に到着しダウンヒルを(山を下る)するという。
すでに登りで、嘔吐しそうなくらいドリフトしていたのに…
もう、このまま山頂に置いてほしかった。
『俺は無理だ…』
『いや、まだ本気を出してないから大丈夫!』
何が大丈夫なのか、わかりませんよ…
そんなこんなで出発した。
すると、最初のコーナーを曲がったとこで
ウーウー
あ、警察車両だ…
どこから出てきたのかわからなかったがパトランプを回しながら追ってくる。
友達に『警察きたよ…』って言うと『ぶっちぎるから大丈夫!』笑顔で言う…。
大丈夫じゃないだろ!!
そんなんで3つめのコーナーにケツを流しながら突入。
警察車両のライトが助手席を照らす…
『顔がわれた…もうダメだ。』俺はビビりですから、すぐ弱音を吐きます。ま、いつものことだけど。
警察車両は、しつこく追いかけてきた。
『警察車両を運転してる奴、うまいな…』友達がぼやく。
確かに、さっきから食いついている。
ヘッドライトから車種はスカイラインR34、そんな覆面パトカーなんて宮崎にいたのかよ…そう思っていた。。
ちなみに、追ってくるのは覆面パトカーです。
パトランプが、あの小さいやつだったからね。
峠の真ん中あたりまで、下りてきた。しかし、友達は警察を引き離すことが出来ずにいた。
『たぶん、後ろのナンバー見られとるな…』
終わった…手錠だ…
ビビりなんで逮捕される妄想を浮かべた。
すると、覆面パトカーの更に後ろから1台の車が来る。
あの特徴的なヘッドライトと顔は…
ランサーエボリューション4!!
通称ランエボ。ラリーでは有名な車種。そして、ランエボは覆面スカイラインを煽りだした。
救世主登場!
と、低速コーナーに入ったチェイサーにスカイラインが突入。
後ろのけつに、ガスッと当たった。
チェイサーは、けつを流しガードレールに接触したが低速コーナーのため、大事には至らなかった。
『傷つけやがった!くそ!』
友達の血圧が上昇!俺は酸素が足りず、貧血になりそうだった。
その低速コーナーでエボ4がスカイラインの左側に並んだ。
そして…スカイラインを追い越しチェイサーの後ろに。
さすがにコーナー立ち上がりは4WDには勝てない。
にしても、このエボ4何がしたいんだ??
すると、車幅の狭い道路でエボ4がスピードを落とした。
そして、チェイサーがコーナーを曲がると後ろからついてこない…。
たぶん、覆面スカイラインを止めたのかな…
友達が、『怖かった…ちょっとトイレに行きたい。』
と、感謝の言葉もないまま山の下にあるローソンへ。
無言のまま、駐車場に着いたがなぜか走り屋の車で満車。
ま、峠近くのコンビニに走り屋がたまるのあたり前ですからね。
近くの、閉店した後の食堂の駐車場に車をとめた。友達は走ってコンビニへむかう。
俺は、歩いてコンビニへむかい何か飲み物でも買おうとコンビニの駐車場を通り過ぎるときに、あのエボ4がやってきた。
あ、そのエボ4は黒です。
初めてエボ4の黒を見ました。
駐車場の端っこに止めて下りてきたのは若い女の子!
『嘘…男じゃなかったのか…』その女の子は、3人組の男が座るコンビニ入口の横へ。
何やら友達のようで、笑顔で話していた。
『…また、あのスカイラインが来ててさ〜』
あ、さっきの覆面か…
『いい加減、警察のまね事やめろっつーの!』
ん?
話を聞いていると、どうも後ろから追ってきていたのは覆面パトカー風に改造したR34スカイラインだったそうです。
ようするに、運転していたのは一般人。
それを、追っ払ったのは目の前にいる女の子。
それを知って、安堵感と疲労感からか涙が溢れてきた。
俺らを助ける為では、なかったにしても真実がわかって良かった。しかも手錠をかけられずにすむ…
すると、友達がトイレを終えて俺のとこに来て一言。
『なぁ、警察とか家に来たりするかな…』
と、言うので『大丈夫!実は…』と言うと
『にしても、入口んとこいた女の子あんまかわいくないね〜』と遮った。
『この恩知らずめ!』と、頭をはたいた。
怖い話投稿:ホラーテラー 福岡県民さん
作者怖話