仲良しのクラスメートYが、1週間ほど学校を休んだ。
久しぶりに登校してきた彼に声をかけると、彼はこんな話を語りだした。
一週間前の晩、部屋のベッドに横になっていると、天井から一筋の光が差し込んでくるのに気付いた。
おかしいな、と思って天井板を外したが何も見えない。どうも気になるので、そのまま天井裏に上った。
そこは真っ暗だった。
しかし手探りで進んでいくと、やがてかすかに小さな光が見えてきた。
進むたびに光は大きくなってゆく。夢中で進んでいくと、それはどこかの街並みの風景だった。
そしてよく見ると、その街は僕らが住むこの街とそっくりだった。
学校や商店街、自分の家まである。Yはしばらくの間、街をさ迷い続けたそうだ。
そこまで話すとYは、がっくりと肩をおとした。
「それで、どうやって戻って来たの?」
僕が尋ねると、Yは、うつろな表情でこう答えた。
「実はまだ、戻ってきていないんだよ」
怖い話投稿:ホラーテラー まゆるさん
作者怖話