自殺を投下した店長です。
まだまだ眠くないので、次のお話を…
と、その前に僕はいわゆる「霊的なモノ」が少し見えます。
良く幽霊が出る場所って人通りが多いすぐそばに、誰も入らない空間がある場所って聞きますが、
カラオケ店はまさにそれ!
1番怖いのは閉店時間で、各部屋(密室)の電源を落として回る時です。
怖い話も沢山あるのですが、僕の印象に残ったエピソードを投下させて頂きます。
僕が店長に成り立ての頃…
毎日お昼の開店から来る仲の良い老夫婦がいました。
お客様なんですが、物腰も柔らかく、差し入れして頂く事もしばしば。
アルバイトの好きな常連様No.1でした。
ご注文はいつも決まって、アイスコーヒー二つ。
部屋に案内し、「いつものですね?」と聞くだけでご注文が完了していました。
二年くらいたった頃でしょうか…
おじいさんだけでご来店するようになりました。
僕が訳を聞くと、おばあさんは亡くなったというお話をして下さいました。
あんなに優しく良い人でも亡くなってしまうんだと、胸が裂ける思いでした。
しかし
しばらくしておじいさんは奇妙な行動に出ます。
フロントで受け付けする時に「2名で」と言うのです。
もちろんおじいさん一人です。
しかしおじいさんは隣におばあさんが居るかの様に振る舞います。
僕は察し、「かしこまりました。」と手続きをしました。
部屋に入ってもアイスコーヒー二つのご注文…
おじいさんはボケてしまったと、泣き出す女性アルバイトまでいました。
それ程、好かれていた常連様でした。
この奇妙な行動が二週間くらい続いた頃でしょうか?
昼間なのに、死んだおばあさんをアルバイトが見たと言います。
そして、おじいさんが毎回手をつけずに残されるハズのアイスコーヒーが空になっていたりしました。
僕は不審に思い、薄暗い部屋を覗き込むと…
おばあさんが居ました…
生きている頃と同じ姿で…
うっすらと見えます。
僕は老夫婦の絆を目にしました。
涙が止まりませんでした。
おばあさんは亡くなってもおじいさんとずっと一緒だったのです。
2、3日しておじいさんもご来店されなくなりました。
おばあさんが迎えに来たのでしょうか?
おじいさんが亡くなったのか、ただ来なくなったのかはわかりません。
でもご夫婦がずっと一緒で居る事は確かだと思いました。
怖い話投稿:ホラーテラー 店長さん
作者怖話