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短編2
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道で見たもの

私の友人Aが、小学生の頃の話。

ある日、ちょっと買い物をするため家からは少し離れた道を一人歩いていた。

普段から、利用することはめったにない道だった。

人もほとんどいなく、静かな道を黙々と歩いている時だった。

幅の狭い道路の真ん中に、何かが見えた。

(車に挽かれた、猫か犬の死体だろうか…?)

近づくにつれ、その奇妙な物がはっきりと見えてくる。

ボロボロになった毛皮と肉の混じったものから、所々白い骨が突き出していた。

(嫌なものを見てしまったな……)

そちらに目を向けないようにしながら、足早に通り過ぎた。

それから一年は経っただろうか。

私用のため、再びその道を通る事になった。

その日はもう夕暮れ近く、コツコツと自分の足音がコンクリートによく響いていた。

その道の風景を見ていると、以前通った時の記憶が少しずつ思い出されるようだった。

そして、以前奇妙な物を見たのと同じ場所にさしかかった時だった。

(あれは…………)

それは、以前に見た時と寸分違わぬ姿でそこにあった。

そこで初めて、頭をよぎった。

(あれは、見えてはいけないもの……)

そう意識したのと、ほぼ同時……

その奇妙な物が、ズズズッ…と自分のほうへ動きだしたように見えた。

もはやガクガクと足が震えてしまい、通り過ぎる事は出来なかった。

慌てて来た道を引き返したのだった。

それからというもの、その道を再び通ることは無かった。

一体何だったのかは分からないが、今でも同じ場所にそれはあるのかもしれない。

Aは気味が悪そうに、そう話していた。

怖い話投稿:ホラーテラー geniusさん  

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