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短編1
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呪いの藁人形

男は、呪術に詳しい友人から藁人形を譲ってもらった。

何でも、他に出回っているものとは一線を画すほど強力な効果があるらしい。

方法は、呪いたい相手の体の一部を藁人形に入れ、好きなやり方で傷を刻むなりすればいい。

男はさっそく、憎い奴の髪の毛を一本入手する事に成功した。

藁人形に髪の毛をねじ込み、呪いをかける。

「まずは、そうだな。手足から……」

縫い針でじわじわと刺していく。

「…とりあえずは、これで様子を見るか」

しかし次の日、そいつは平然としていた。

目立った傷などは一切ない。

男は、藁人形を譲ってもらった友人に電話で聞いてみた。

すると友人は「効果が現れるには少し時間がかかる」と言っていた。

仕方ない…待ってみるか。

その夜眠っていると、手足に鋭い痛みを感じ目が覚めた。

ズキン…ズキン……

太い針で刺されたような傷から、じわじわと血が染みだしている……

「くっ……こんな…」

(何かの手違いか……?

確かにアイツの髪の毛を藁人形に入れたはず……)

だが、間違えて自分の毛を入れてしまったような気もしてくる。

(そういえば、あの藁人形はどこへ置いただろう…?)

血と汗を滲ませながら藁人形を探していると、妻が起きてきて言った。

「あの小汚い藁クズなら、今朝ゴミと一緒に燃やしたわよ」

男は、目の前が真っ白になった………

怖い話投稿:ホラーテラー geniusさん  

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