これは僕が小学校六年生の時の体験です。
この話を信じてくれる人はほとんどいないのですが、弟と僕が間違いなく体験した出来事です。
その日、学校から帰ったとき母はすでに出かけていました。
朝から出かけるので、弟と二人で留守番するようにと言われていました。
秋の日が暮れるのは早く、しかも外は雨模様だったので、僕と弟は家の中で遊ぶことにしました。
その頃住んでいた家は六畳や四畳半などの部屋がいくつもある住宅だったので、けっこう楽しく遊ぶ事が出来ました。
特にかくれんぼには最適でした。
弟もかくれんぼは好きで、ときどき友達までやってきて遊ぶこともありました。
でも、その日は家の中には弟と二人きり。
上手に隠れてしまうと、なかなか見つけだすことは出来ません。
弟が鬼の番になったときのことです。
僕は、両親の部屋の布団と衣裳箱の入った押し入れの下の段に隠れることにしました。
この部屋には古い本棚とタンスが置かれています。
「もういいよ〜」
僕は弟に合図してから、押し入れの中で息をひそめました。
見つからない自信はありました。
案の定、いつまで経っても弟がやってくる気配はありません。
きっと、違う部屋や廊下のカーテンの内側などを調べながら、探しまわっているのでしょう。
やがて、足音がしたかと思うと、
「あっ!見つけた!」
という嬉しそうな声がしました。
すみません。分けて投稿させて頂きます。
怖い話投稿:ホラーテラー clearさん
作者怖話