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弟と二人だけのかくれんぼ2

短編2
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弟と二人だけのかくれんぼ2

なんだ、簡単にわかったんだなと思って、押し入れから出ようとして、不思議なことに気づきました。

押し入れはピッタリしまっているのに、弟はなぜ僕がここだとわかったのでしょうか。

〈もしかしたら、おびき出す作戦か?〉

そう思い至って、しばらくじっとしていることにしました。

すると、

「ずるい!早く出てこい!」

と、弟が叫びます。

こうなったら僕も、絶対出てやるものかと、膝を抱えました。

しかし、弟は相変わらず「見つけた!」を繰り返すばかり…。

狭い場所に窮屈な姿勢でうずくまっている僕は、だんだんイライラしてきました。

見つけたのなら、押し入れを開ければいいのに、そんな気配はまったくありません。

そんな状態のまま、15分位が過ぎました。

弟があまりにもしつこく「出てこい!」を繰り返すので、僕はついに押し入れから出ていきました。

すると、押し入れの反対側にあるタンスの前に弟が立っています。

弟は、こちらに完全に背中を向け、まるで綱引きをするように体を動かしていました。

そして、

「出てこい!見つかったんだから、早く!」

と、繰り返しています。

僕はそっと押し入れから出ると、弟の斜め後ろに立ってみました。

すると、そこに奇妙な光景があったのです。

タンスの中から白い手が伸び、その手を弟が一生懸命引っ張っていたのです。

「誰だよ、それ」

僕が声をかけると、弟はびっくりして振り向き、そのあと自分が握っている白い手を放して、泣きだしてしまいました。

その瞬間、白い手もタンスの中に引っ込んでいきました。

僕達は家を飛び出し、泣きながら両親の帰りを待ちました。

永遠にも思える長い時間が過ぎ、やっと両親が戻ってきました。

そして、タンスの中を全部調べてくれたのですが、まったく異常はなく、洋服が詰まっているだけでした。

両親は「そんなバカなこと…」といい、結局この話は信じてもらえませんでした。

しかし、僕と弟ははっきり見たのです。

駄文失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー clearさん  

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