深夜のファミレスで、遅い晩飯を食べてたら、隣の客の話し声が聞こえてきた。
「なあ、この世で一番怖いものってなんだろうね?」
「まあ、怖いって言ったら幽霊だろうな。」
「幽霊の怖いものは?」
「うーん…霊媒士かなあ。」
「霊媒士の怖いものは?」
「そりゃ科学者だろ。非現実を受け入れない科学者。」
「科学者の怖いものってなんだろう?」
「そりゃあれだよ、解けない問題だよ。科学者にとっては一番怖いでしょ。」
「じゃ、解けない問題が怖いものは?」
「えーと、頭の良い人だな。
問題を解いちゃうからね。」
「頭の良い人が怖いものは?」
「不良だな!頭の良い人って真面目だからね。」
「不良が怖いものは?」
「決まってるだろ。警察だよ。」
「警察が怖いものは?」
「やっぱ、マスコミかな。」
「じゃあ、この世で一番怖いのはマスコミか…」
「いや…マスコミは視聴者…いわば一般市民を一番恐れているみたいだな。」
「一般市民が恐れているものは?」
「そりゃ幽霊だよ!」
「じゃあ、幽霊が怖いものは?」
「おいおい…はじめにもどっちゃったじゃんか…いい加減にしろ!そろそろ時間だ。帰ろうか。」
隣の客が帰って行くのを見て、俺は思った。
「長々と一人で自問自答してる、お前が一番怖いよ…」
と。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話