これは私の友人が実際の体験談をお話し致します。
その友人は高校で仲良くなり、学校から友人の家が近くて度々、泊まった事もありました。
友人の家は二階建ての一軒家で庭が広く、サッカー部だった私達はよく、リフティングをして遊んでました。
ふと庭の端っこに犬小屋が置いてあるのに気が付きました。
『犬、飼っていたんだ!』
私が言うと友人は下を向きうなずくだけでした。
私はそれ以上は語らず、その場はスルーしました。
その日は翌日、試合があり朝が早い為、友人の家に泊まる事になっていました。
私以外の他もあと2名と共に・・・。
私(B)・友人(A)・他2名(C.D)
翌日の話をしてた時、
A『さっきの犬小屋な、3年前までいたんだ。
殺されたんだよ。家の隣、空き地になっているだろ。前にあった家は近所でも有名な中年の姉妹が住んでてな・・・。』
B『そいつらがやったのか?』
A『あぁ・・後にはっきりしたんだけど、俺は最初っからあいつらがやったと思ってたんだ!』
それから、その家に関するいろんな話をしてくれました。
その家は近所でも有名な汚く、臭い匂いを出してる今で言うゴミ屋敷だったらしい。
町内では、汚家《おうち》と呼ばれていたそうです。
その姉妹は両親が死んでから、近所の付き合いをせずゴミを集め始めたそうです。
やはり回りから苦情が殺到し、町内会長からしまいには市役所の課長まで出てくるまで発展したそうです。
そんな事は何処吹く風とばかりに聞く耳をもたなかった。そんなある日、真向かいの家のご主人が、怒りをあらわにして汚家に行き、文句を言ったあと、スコップで汚家のゴミを家の中に放り込んだそうです。
C『ざまぁ〜見ろじゃん』
A『俺も最初はそう思った・・そん時な・・・。』
友人は一度、唾を飲み込み再び話し始め、その姉妹が出て来てこう言ったそうです・・・。
『呪い殺すからなぁ・・』
友人家族や近所の人達が止めてその場は終わったらしいのですが・・・。
何日かしてその真向かいの主人が急に亡くなったそうです。
近所ではあの姉妹に呪い殺されたんだと噂になり、文句を言う所か、近づく人もいなくなってしまいました。
そんな噂がたち、親や汚家近辺の住人達は頭を抱えていたそうです。
行政すら近寄りもしなくなると汚家のゴミは増える一方で道路にまではみ出しはじめたある日、友人の父親と町内会長が写真を取り、住人等サインが入った嘆願書を役所に出しました。
数日後、役所も重い腰をあげ、なんとか道路に出たゴミは姉妹の許可を取って、役所の職員がかたずけたらしいです。
ある日朝早く、飼っていた犬が尋常じゃないくらい吠えていたそうです。
母親が庭にでて、犬を見た時!、
犬小屋に大量のゴミと玄関の前には猫のはらわたが飛び出ている死体が置いてあったそうです。
『キャァァァァァァァー!!』
近所中が出て来るくらいの叫び声に家族は外に飛び出ました。
父親は子供達を家の中に入れ、外を見せなかったそうです。
父親は直ぐさま、汚家に行き、
『なんなんだぁ!貴様等は!文句があるなら出て来い。もう、許さねぇぞ!』
父親が叫んだその瞬間!
上の窓から汚物が降って来ました。
間一髪、父親にはかかりませんでしたが、辺り一面物凄い悪臭が漂ってたそうです。
その様子を見た友人は、『気が狂ってる・・・。』としか思わなかったと言ってました。
再び行政、今度は警察まで出てくる展開になり、父親は怒りをあらわに、
『絶対、許さんぞ!』
と顔を鬼のようにしていたそうです。
警察官、何名か現場検証と簡単な取り調べをし、一人の私服警官が父親に、
『たぶん、お隣の仕業だと思います。ゴミの中に証拠品がありました。しかし、それだけではあの猫もやったとは断定できません。ゴミは捨ててあるやつを誰か投げたんじゃない?と言われたら、現行犯じゃない限り難しいです。犬小屋のゴミはかたずけるそうです。しかし、このような事が少しでもあったら直ぐに署や近くの交番まで来てください。』
そう言うと、一例して、帰ったそうです。
ゴミも本人がかたずけたのではなく、交番のお巡りさんがかたずけたらしいです。父親は、
『納得がいかない!』
と、怒りが数日続いたそうです。
友人は一つの疑問があったそうです。
姉妹、姉妹って言うけど一人しか見た事がないと?
父親に隣の事を口すると怒るので母親に聞いて、
『隣、いつも外に出て来るのはどっち?姉、妹?』
そう言うと母親は、
『あれ?知らないんだ。いつも出て来るのは妹のほうだよ。そう言えば隣のご両親が亡くなってから姉の姿は見なくなったねぇ。この頃は声も聞かなくなったなぁ。』
友人は突き止めたくなったそうで、学校の友達に事件の話を詳しくしたところ、何人かの友達で組み、あの汚家を探索する事にしたそうです!
B『行ったんか?』
D『何人で?作戦は?』
A『5人でな、何日も作戦練ってよ、実行にうつす日が来たんだよ。』
作戦はこうだ!
朝、5時頃にいつも妹がお手製の手押し車を引いて何処かにゴミを拾いに行くのでその隙に中に入ると至って簡単な作戦だった・・・。
B『なんだよ!やっぱりガキの作戦だな。』
A『まぁ、よく聞け!』
まず朝が早いから友人は自分の家にいる。自分の部屋から隣の様子がわかるので見張りになり、後1人外での見張りを置き、残りの3人で中に入るという作戦らしい。
合図には懐中電灯を使い、1回点けたら入れ、2回点けたら止まれ、3回点けたら隠れろ、4回点けたら逃げろ。
そして、友人は外の様子を伺い早朝5時、いつものように妹が出て行くのを確認!
直ぐに部屋を出て廊下の窓から裏にスタンバイしていた友達に合図を送った!
自分の部屋に入り、汚家の玄関脇の垣根裏にいる見張りを確認。残りの3人が入って行くのが見え、友人はなんかウキウキしたそうです。・・・それまでは・・・。
5分くらい過ぎた頃でしょうか?見張りの者が3人、入って行った方角と違う方を気にし始めました。
すると!
その違う方角から3人が血相を変えて一目散に逃げてました。一緒に見張りも逃げたのは言うまでもありません。
何があったのかと見つめたその時!
出ていったはずの妹がかまを持って追いかけていました。
友人はその姿を見て、なんで!っと思うと同時に恐ろしくなり窓から顔を外しました。
心が落ち着き窓をゆっくり覗きました・・・すると!
妹がこちらを睨み付け、ニタニタ笑いながら部屋に入って行ったそうです。
学校に行き、みんなで集まった時に友人は、
『なんで、妹がいたんだ!』
すると先頭きって入ったやつが、
『ゴミの山かき分けて、やっとこさ獣道みたいな所に出てさぁ、多少回りが見えて懐中電灯をかざしたんだよ!そしたらなんか布団の山があって近寄って調べようとした時、たぶん台所だと思うんだけど、そこからあのババァがかま持って、《オマエラ、コロス!》
って・・・。本当に殺されると思った!もう、行かないぜ!』
他の者も、震えていたそうです。
あの笑みは何なのか。その時は解らなかった。
家族も近頃は隣の話もしなくなり、何も起こる気配もありませんでした。
しかし、家の犬だけは違って妹の姿を見るとうなるそうなのです。吠えるのではなく、うなるんです。
一向に汚家のゴミは減らず反対にまた増えていって、近所から再び話が出始めた頃、変な噂が出てたそうです。
夜中、近くの公園で妹が猫を餌で誘き寄せ、袋に入れて、持ち去る。そんな噂が町中を駆け巡ってました。
はっきりしないまま、時間だけが過ぎていったある朝、犬に餌をやるのが友人の仕事なのであげに行きました。
・・・・・すると!
口から汚物と血を吐き犬が死んでいたそうです。
『うわぁぁぁ〜ん!!』
その大きな泣き声に家族が飛んで来て、その様子を見て母親が友人を抱きしめ、顔を覆ったそうです。
父親は怒りなのか恐怖なのか、震えていたそうです。
前の事もあり、警察は犬の司法解剖を進め、それを父親は承諾しました。
結果、毒殺だったそうです。
友人は時間が経つにつれ、怒りが増しました。しかし、恐怖も忘れられず途方に暮れていたある日、前回いた私服警官が家に来ました。
『実は公園の猫、隣の女が持ち去るっていう噂、ご存知ですか?それが本当だったんです。あるご家庭の飼い猫がお部屋で死んでいたそうです。それが先日、お宅のワンちゃんが亡くなった症状と似ていたので調べたところ、全く同じ種類の毒物が検出されました。』
その後、公園の噂を聞き張り込みを続けた結果、隣の妹が現れ、噂通りの行動していたので職質をして、署に連行したそうです。
『それだけじゃ無いんです。』
いるはずの姉は死んでいたそうです。布団に何重にも重ねられてミイラ化になっていたそうです。
『あのゴミの山は死体の匂いを消す為に集め、猫は姉が好きだったから、気が向いた時、公園から連れ去ってたんだと自白しました。』
姉は病死らしく、妹もこの世に一人になるのが寂しかったのでしょう。姉の死体と暮らしていたそうです。
犬も毒殺したと自白したそうです。理由は、
『あの犬は、私のすべてをわかっているようで・・・怖かったから・・・。』
探検したあの日、布団の山の中を友達が見なくて良かったと思ったそうです。
そんな暮らしをしていたので税金関係を払って無いらしく、土地・建物は没収され妹は精神病院での治療後刑務所に行き、今は消息不明だそうです。
C『そんな曰く付きの場所、誰も家建てられないよなぁ〜。』
A『だから何年も空き地だったんだよ。』
B『だったって?売れたのかよ?』
A『どっかの不動産屋が買って分譲住宅になるらしいよ。まっ、俺は買いたくないけどな!』
『俺もぉ〜!』
友人が最後気になる一言を言っていた・・それは、
『でもさぁ、俺、あの時の笑いが気になってしょうがねぇんだ。』
何もなければいいんだが・・・・・。
怖い話投稿:ホラーテラー 閥侍牡さん
作者怖話