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銀縁の扉と草原と空色の城

中編6
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銀縁の扉と草原と空色の城

これは10年前、小学生の頃、僕がボーイスカウトに通っていたころの話です。

星を見るというテーマのもと、山奥へボーイスカウトででかけた時のことです。

その時、泊まったのはちょっと風格がある真っ白で四角い2階建ての学校のよう

な建物でした。

中に入ってみると結構広く、学校みたいな長い廊下に扉がいくつかあり、部屋が

複数あるタイプでした。

そこへ着いた時は、もう夜7時を回っていて、夜ごはんを食堂のようなところで

食べました。梅と昆布のおにぎり2つとたくあん2枚となんか春雨みたいな麺形

のものがでました。

たしかなんか酸っぱかった。

風呂はなく、そのあと話し合いみたいなのをして、みんなグループごとに指定さ

れた部屋へ行き有り勝ちな「○○~もう寝たぁ?まだ起きてるだろぅ?フフン」

とか適当なことしゃべりながら気がつくと11時をまわっていました。

僕のグループは5人だったので名前は、私、A~Dとします。

Aが突然立ちこう言いました。

「この旅館古そうだから、どっかに宝があるかもしれないぜ!」

正確に言うとここは旅館ではなく古い建物をボーイスカウトなどの団体のために

泊まれるようにした施設らしい。

5人で当時流行ってたゲームやカード、シールの話をしながら部屋をでた突き当

りにある階段を上りはじめた。階段は木で組み立てられておりギッガシッと時々

もろく崩れそうな音をたてていました。

その時、怖かったのは霊系ではなく、大人たちが子供が勝手に出回ったりしてい

ないか探している事でした。

「やっべぇ!さっき後ろ通ったの絶対、霊だよ!きっとこのあたりで戦死した兵

士か何かだよ!」

とか隊長(ボーイスカウトのまとめ役の人)が電気を持って見回りしているのを

階段の上から廊下を見てみんなでコソコソふざけていました。

見回りの多い、にぎやか?な1階とは違い2階はほぼ真っ暗でひんやりとしてい

ました。BとCと私はふざけて「キャッホdmkヴぉs;いhvs!」とか意味

のわからないことを叫びながら暗闇の中に突撃していきました。

AとDは「宝はブラックライトで照らすと浮き上がるんだぜぇ!」とか言いなが

ら後から一緒に走ってきました。

2階は1階とは違い、廊下と部屋と部屋の間にある壁がないようでとても広く、

ある程度、はしゃぎながら走った後、外の壊れた電灯によってぼんやり明るい

窓際にみんなで集まりました。

C「どうせ、ここには宝なんてないよ!」

D「そろそろ大人たちも寝たと思うし、外行こうぜ!」

B「テーマは星を見るだ。外へ行くのは当然の行動だろう。」

とこんなような会話をしました。

で外へ行こうということになり階段の方へみんなで向かいました。

その時、階段がガタガタなり何かかが上がってくるようでした。

「絶体絶命のピンチだ!おそらく隊長殿か参謀殿であろう!」

とかふざけながら走りだしました。

C「さっきあの壁に変なスペースがあったんだ!そこへ隠れれば見つからないか

もしれないぞ!」

とにかくみんなでその意味のわからないスペースへ向かいました。

平らな壁にだいたい横50CMくらいのくぼみのようなスペースがたしかにあり

ました。暗くてぼんやりとしてなのでくぼみのように見えました。

で、ぎゅうぎゅう状態でそのくぼみに入り込みました。

「やっべ!苦しい!」

「おまえの二の腕、犬の臭いするな!コリーか?」

「もう降参して表へでようか?」

とかしゃべりながら10分くらいかな?その状態でそこへこもっていました。

その時、誰かほかの一人が「この空間奥の壁が妙にやわらかいぞ!」

「なに!?掘り進めば財宝があるかもしれない!」

「よくやった!1等兵殿!」

とかふざけながらそのやわらかい壁を掘り進んで行きました。

そして何分くらい掘り進んだのだろうか・・

「おそらくこの地点へ生きてたどり着いたのは我々04部隊だけだろう。」

とか言いながらある事に気がつきました。

おそらくみんな気がつきはじめていたのでしょう。

「おい!後ろが壁に!掘り進んだ跡がない!」

おかしいと思いました。

土の中に自分たちが埋まっていたような状態になっていました。

そしてまたあることに気がつきました。

これは僕らが掘り進んでいるのではなく、勝手に道ができていくような感じという

のかな?どう表現すればいいのかわからないがそんな感じでした。

パニックというかもうとりあえず進むしかありませんでした。

ズボッ!

「うわぁ!沼じゃあるまいなvじょfdjv;dkz!」

5人ともズブズブと落ちて行きました。

気がつくと、私ひとりだけ開けた草原のようなところにいました。

目の前に大きないぶし銀のような銀色の縁取りがされた扉がありました。

なんというか、どこでもドアみたいに唐突に草原にその扉はたたずんでいました。

前も横もずっと草原が続いていて、後ろは遠くに海が見えます。

右手側にはすごく遠くにクリーム色の羊のような動物が2匹位見えました。

左手側にもすごく遠くに・・・いや、巨大な西洋の城みたいなのが建っていました。

全体が空と同じ色に塗られ宇宙へ続いているのではないかと思えるほど、すごく高く

幅も広くとにかく恐ろしい程の光景でした。

よく見ないとなにも建っていないように見えるほどさわやかな空色でした。

これはアニメの世界だ!

今思うと怖いのですが奇妙なほど私は浮かれ気分でその城を眺めていました。

1時間くらいは眺めていたかな・・?

・・きっとあの空高く不自然な浮かんでいる四角いのはこの城の窓だろう・・

とするとあの下にあるのは入口かな?とか思っていました。

私は急になぜか怖くなり、何を考えたのか目の前に立っていた銀の縁取りの扉を開け

ました。

何か黄緑の光が見えたような気がします・・

気がつくと隊長に抱きかかえられていました。

隊長「おまえ、いなくなったと思っていたら庭で寝ているとはどんなんだよ!?」

とか言いながらレンガ造りの建物へ向かって行きました。

私は「泊まった所へは帰らないのですか?」と疑問に思いました。

泊まった施設は真っ白な建物だったはず・・・

しかし隊長は笑いながらこう言いました。

隊長「寝ぼけてるのか?泊まったのはあの建物だ。」

私は見間違えだったのかな?と思いました。

建物につくとA~Dもいました。

私は昨日のことを聞きましたが、「宝探しへは行ったが2階へ行ったのはCとおまえ

だけだ」と言われたのでCに聞いてみると「2階へいったあと床がフカフカしていた

ので俺は2階でそのまま熟睡してしまったぜ!」とか言っていて私の記憶と違った事

を言っていました。

「どうせ、夢でも見たのだろう。」

「隊長は若いころ金縛りにあった時、目を開けたらでかいけん玉が立っていたけど

 あとから調べたらそれは実際みたように思えるが実は夢の一種だった」

とか言っていたのでやっぱり夢か・・と思いました。

まぁ、そのあと何事もなく、昼にカレーをみんなで作っている時も、

「玉ねぎ、目いてぇー!」

「醤油とソース間違えた!」

とかみんな楽しそうにしていて、夢だったんだな!と勝手に私は納得しました。

その後は、何事もなく暮らしております。

時々あの時みたきれいな草原と城を思い出して、懐かしがっています。

A~Dはボーイスカウトを私よりも早くやめ、その後、私もやめてしまったのでもう

会うことはないでしょう。

怖い話とは違ったかもしれませんが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

かなり前の出来事なので若干、尾ひれがついていたりしてるかもしれません。

また文章も分かりにくいところとかあったかもしれませんが読んでいただきありがとう

ございました。

最後に引っかかることとしては、その体験?前は当時流行っていたポ○モンの種類に

その体験後にはいなくなっているものが1匹ありました。

体験前は足が6本ある黄色い兎みたいなのがいて、その事は後々話すと友達は「妄想

だな」とか言っていました。

当時はモンスター育成ブームだったので何か別のキャラクターを勝手に勘違いしていた

だけだと思います。

長くてすみません、これでこの話を終わりです。ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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