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中編3
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観音山

8年前に起こった今までで一番怖い体験を書きます。

本当の話なので怖くないかもしれません。

私が住んでいる村は、かなりの田舎で畑は勿論、湖、川、山に囲まれた緑豊な村だ。

高校生まではゲームの存在すら知らず、男女関係なく川で遊んだりしていた。

そんな私達が決して近寄らなかった場所…それが観音山だ。

昔から良くない噂ばかり耳にしてきた。自殺者がよく出たり、入った人は戻って来れないと昔から噂されていた。

高校生までは怖くて口にする事さえ出来なかった。

しかし次第に興味を持ち始め観音山の話が普通の会話の中に出るようになり始めた。

そんなある日の事。

忘れもしない。

夏の8月3日、夏休みが始まりウキウキの私達。

川遊びに必死な私と友達のkとS。2時間程川で遊び、疲れて休憩しているとkが話しだす。

k「なぁ俺達高校生になったし、そろそろ観音山に肝試しにいかん?」

S「あほかおまえ、絶対やめとこ、呪われる」

私「絶対嫌や、帰れなくなったらどうするんな!!」

k「大丈夫やって!まだ昼やし奥には入らへんし、そんな話迷信やって!ぱっと見てササッと帰ろや!」

S「うーん少しだけならいいかなーちょっと興味あるし」

私「…」

私は乗り気ではなかったが場の雰囲気を壊すまいと渋々付いていく事にした。

観音山に行くには、大きな湖を越えて行く、やがて大きな寺が見えてくる。観音寺だ。その観音寺が観音山の入り口となっている。

私達は湖を越えて観音寺を目指した。

観音寺にようやく着いた。辺りはしーんとして虫の鳴き声1つ聞こえない。

真夏だというのに少し肌寒かった事を覚えている。

3人は何か異様な雰囲気を感じていたが、誰も口にはしなかった。

そこで引き返せば良かったのに…。後で思い知らされる事になる。

観音山の入口に着いた。

鳥居が入口になっているのだが、鳥居の下の岩にはビッシリとお札が貼られていた。

S「やっぱりやばいよ帰ろうやー」

k「何をびびっとんなーオカマかおまえは!大丈夫や、何かあったら俺が助ける」

S「何かあったら遅いやん!呪われたらどうするん。」

k「じゃあ帰れや。のり悪いなー」

S「1人で帰るん怖いやん!行くしかないやんけ」

k「ハッハッハじゃ行こか。」

私は正直怖くて足が震えていた。しかし馬鹿にされると思い、何も言えずにいた。

とうとう3人は鳥居をくぐり観音山へと入っていった。

鳥居をくぐると階段があり、20段程登った後は獣道だった。階段は綺麗に塗装されているのに…。何故道が無いのか。

怖いながらも獣道を歩いていく。

どのくらい歩いただろうか。時計を見ると2時間弱経過していた。

辺りはすでに夕暮れ時になっている。

k「そろそろ帰ろ。結局なんもなかったのー」

S「うん。良かったわホンマ」

k「だから言ったやろ?迷信やって」

3人が帰ろうとしたその時!

ザァァァァァァ……。

辺りの森が泣いているかのように揺れだした。

アアアアア…アアアアア…

3人が一斉に立ち止まる。

それと同時に山の上から5人の女性が降りてきた。

5人全員が真っ赤な着物を来ている。段々近づいてくる。

私は村の人だと思い声を掛けようとした時、kが私の腕をグッと掴んだ。

k「あれは人間じゃないわ、着物姿でこの獣道を歩けるはずがない。気付かない振りして横通り過ぎるぞ」

kの言葉にSと私は動揺を隠せずにいた。

段々近づいてくる女性達。

心拍数が上がっていく。

ドクン、ドクン、ドクン

女性達が横を通り過ぎようとしたその時。

バッ!!

5人が一斉にこちらを向いた。

全員同じ顔だった。黒目しか無く、口が裂けていた。アッハッハアッハッハアッハッハアッハッハアッハッハー。

裂けた口を限界まで開かせて笑っている。

その瞬間私達は泣きながら走って山を下って行く。

続く。

怖い話投稿:ホラーテラー 神業さん  

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