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短編2
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雪山の歓迎

大学の山岳サークルで山小屋に泊まったときの話。

毎年サークルで借りてる古い山小屋に泊まった夜、こんな夢を見た。

真っ暗な暗闇の中、獣くさい吐息を鼻元で感じ、ようこそ ようこそ と淡々と呟かれる言葉。

悲鳴を上げながら起きると早朝。一緒に来ていた仲間はまだ寝ている。

私は気味の悪い夢を忘れたくて、暇つぶしに小屋にあった訪問者用のノートを読み始めた。

するとたわいも無い書き込みの中、一つ俺の目を引きつけた書きこみがあった。

「何年何月何日、Y沢

変な夢見ました。寝覚め最悪です。何とかしてください。とほほ」

同様の報告は報告者を変えて後10回ほど続いた後、こんな書き込みがあった。

「k村の夢を見る。k村の顔は壁の写真の左端。男の夢を見たものは報告されたし」

慌てて写真を見ると・・・・・居た!

気の弱そうな男の顔。

このk村さんのことはサークルの先輩から聞いていた。

何でもk村さんは上級生から陰湿なイジメを受けていたらしい。

ある日、上級生からザックに石を詰められ、それで何日も山を歩かされたため、遂に腰をひどく痛めて退部していった。

k村は陰湿なやつで退部したあともこっそり部室にやってきて物の置かれている位置を変えたり、我が部を罵倒する文章を机の上に置いたりとストーカーまがいの行動をとっていたそうだ。

そしてk村の嫌がらせは卒業後も続いていたらしい。

やめさせようと連絡を取っても住所が変わっていて居所もわからなかったそうだ。

私は保管してあった古いノートも引っ張り出して読んでみた。

「来ました  k村」

「何年何月何日、○○

第3まき部屋のまきが丸ごと外に置かれていた。雪が積もっていたので使い物にならない。このイタズラいつまで続くんだ…」

「来ました  k村」

「何年何月、T田

便所の窓が綺麗に割られています。

これが例のk村の仕業でしょうか。」

「来ました  k村」

「何年何月、○○

昭和何年卒業OBです。

水を汲みに入ったところk村を見ました。

とっちめようと思ったのだがこちらの声には全く反応せず、逃げられてしまいました。

山の中だからといって安心せずに鍵をかけてから寝るように」

どうやらk村はこの小屋に来て嫌がらせを飽きもせず続けていたらしい。

ところが、永遠と続いていたk村の嫌がらせはここ数年でパッタリと止まっていた。

その後OBの「噂だけど、このノートによく出てくるk村は死んだんだって!だから安心してOK!」という書き込みを見て、ようやく安心した私はページをパラパラとめくり読み続けた。

すると昨日の日付で書き込みがある。

一緒に来た仲間が昨日書いたのだろうと読んでみたページには震える文字でこう書いてあった。

よ う こ そ

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん

Concrete
コメント怖い
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ネタバレ注意
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人の怖さが伝わる作品ですね。
最後の部分もストレートで好きです。
登山をやるのでマキが濡れて使い物にならない恐怖(>_

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これ、石入りザックを背負わせて身体を壊すまで歩かせた先輩が一番怖い気がする。
それに比べたら、まきを濡らすとか窓ガラスを割るとか可愛いもんだよね。

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