とある恐怖サイトで見た話。
男が出張で前もってホテルを予約する事を忘れており、歩きながらホテルを探す事にした。
しばらく歩いていると、ある古びたホテルがあり迷わず男は中へ入った。
そのホテルの宿泊料は驚く程に格安であり、外から見るのとは一見変わっており、内装は他のホテルとはさほど変わらないくらいであった。
部屋に着くと、男は歩き疲れてベッドに横たわった………
「今日はグッスリ眠れそうだ。」
独り言を呟き、ふとテレビの方を見た。
すると、テレビの上にビデオデッキがあり、その横に数本カセットが雑に置いてあった。男は気になりベッドから起き上がりカセットを見てみると、どれも表にタイトルが書かれてあるが、一本だけ何も書かれていないカセットが右端に置いてあった。
そのカセットをデッキの中に入れてみると、何処かの賑やかな大通りが映し出され、浴衣を着た人々が楽しそうに歩いている場面であった。男は意味が分からないままそのビデオを見続けていた。 場面は一向に変わる気配がなく、ただ人々が愉快にその場所も分からない大通りを歩いているだけであった。
30分程時間が経ち、次第に人通りも少なくなって来た頃、小さな男の子が大通りをスキップしている場面が見られた。
すると、画面がその男の子を中心に捉え、ゆっくりと足の方からズームアップしていった。
男の子の胸の辺りまできた時、画面が一時中断し白いゴシック体の文字でテロップが流れだした。
「男の子はこの後、殺されました………。」
男は直ぐにホテルから出ていった。
怖い話投稿:ホラーテラー ネコたちさん
作者怖話