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短編2
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花火大会の帰り

●●公園で花火大会があり友達と見に行った。

夜8時頃花火大会も終わり、家に帰ろうとした。

園内の最東端と最西端に入口がある。友達の家の方向が私の家と逆なので、友達は東側。私は西側で帰った。東側は最近整備されそれなりに栄えているのだが、西側はというとかなりの荒地。変電施設と霊園しかなく、明かりも何もないので正直怖い。

ましては自転車で来たから・・・

公園からコンクリートの道を何百メートルか走ると、今まで自分が走って来た道路の左側に舗装もされていない道が出てくる。少し先には二つの道を跨ぐように林があり、林を越えると、道はそれぞれの方向に分断される。私は左側を通った方が早いので迷わずそっちに行こうとした。

その時、道で声を聞いた。

「もう、左に行ってはいけないよ。」

誰だ?周囲を見渡したが誰もいない。友達の声でもないし、ましてや違う方向から帰って行ったから。

なんだか野太い中年の男の声だった。

右側のコンクリを走ると、えらく遠回りされるので嫌だったが、言うとおりにした。そしてその日はもう夜遅いので家へ帰った。

次の日の昼、その付近を通った。見晴らしの良いところなので、昨日通ろうとした道がよく見える。

しかし、おかしいことに気づいた。林より先の地面が見えないのだ。その隣の(昨日自分がいた地点から見ると右側)舗装された道は普通に見える。

それに加え、何だか林の方を見ると、パトカーの作業着を着た人が相談していた。

たまたま通りかかった人おばさんに訊いてみると、

「あぁ、あなた昨日通ろうとしたの?危なかったねえ。どうやらねえ、地盤沈下起こしたらしいのよ。しかも4mぐらいかな。なんでも地下が軟弱らしくてさ、さっき町役場の人が来てたけれど。いつか地盤沈下を起こしそうな程、軟弱だったんだって。地元の私たちもあまり通らないのよ。」

その時、昨日の男の声を思い出した。「もう左に行ってはいけないよ」って・・・

4mも地盤沈下したのかよ・・・危なかったなあ俺・・・下手したら自転車ごと落下して大怪我してた。

怖い話投稿:ホラーテラー miyocoさん  

Concrete
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