怖い話の体験談というと、ありがちなのが「友達の話」とか第三者が体験したというもの。
私は世の中、霊現象だけにかかわらず理解不能なことも起こりうると思っている人間なので、その類の話を全否定はしませんが、ただそのほとんどは作り話、もしくは誇張、勘違いによるものと思っていました。
何年も前に聞いたアルバイト先の店長の体験談も、リアルっぽい話だけど当時は疑っていました。
でも、数年前、店長の話と少しだけかぶる体験を私自身がしたのです。正真正銘、リアル体験談で怖いというか不思議な話です。
冬の夜。私は1階居間で遅くまでコタツに入ってテレビを観ていました。その日はそのまま眠ってしまったらしく、でも無意識に電気もテレビも消したようで真っ暗な部屋で目を覚ましました。
冬の真夜中なので、シーンとしていたのですが、すぐにサクッサクッと雪を踏む音が聞こえてきました。それだけなら別になんともありません。住宅街なので近所の人のものと思っていました。
私の家と隣家(と言っても親の持ち物で空き家)との間は狭く、人一人入れるくらいで、裏は柵がしてあり田んぼなので、通り抜けできません。
そこに足音が入ってきました。居間はそのすぐ横にあるので雪を踏む音はクリアに聞こえました。
サクッサクッサクッサクッとしばらく行ったりきたりしているので、「ったく、酔っ払いか!」と思っていると足音は離れていきました。でもまたすぐ入ってきて、サクッサクッとゆっくり隣家との狭い間を歩いているのです。
マジ、泥棒かなとさすがにおかしいと思った矢先、足音は居間の障子戸の辺りでピタッと止まったんです。
シーンとした居間で、私は怖くてコタツから出れなくなっていました。泥棒と決め付けていました。
足音は止まったまま動きませんでした。
人間、本当にこんな心臓バクバクするんだ。私は怖いながらもコタツを出て2階の父の部屋に行きました。
なんで、すぐ行かないの?って、本当に怖いと動けなくなります。
父に「泥棒かも…一緒に来て」と言いました。父は寝ぼけ眼でしたが、先のツンツンに尖った傘を持って、通路の前まで行くと、「誰もおらん」と言い、私も辺りを見ましたが狭い通路には足跡が一つもついていませんでした。
父は犬猫じゃないかと半信半疑でしたが、1、2分でキレイに足跡消えますか?だって雪は止んでいたんです。
足音だって犬と人間じゃ違います。最初は近所の酔っ払いと思ったくらいです。しっかり雪を踏む音を聞いたんです。
店長の話とかぶると書きましたが、長くなったので、また別枠に書こうと思います。
怖い話投稿:ホラーテラー ヨウコさん
作者怖話