これは、私の母が、中学生のときに経験した話。
その日の夜も、特別変な感じなど特になかったという。
宿題をやり終え、布団のなかに入った母は、あっという間に夢の世界へと旅立ったそうだ。
そして真夜中、母はぼそぼそと誰かの喋る声を聞いて目を覚ました。
母の部屋は居間のちょうど隣にあり、ふすまで仕切られていたという。
その隙間から、淡い光が漏れているのだ。
喋り声はそこから聞こえていた。
母は、「お母さんとお父さんかな?」と思っていたらしく、別段怖いとは思わなかったらしいが、そのときふと誰かの視線を感じたのだという。
見ると、窓から幼い幼稚園通くらい女の子が覗いていたのだ。
母は寝ぼけており、ただその子が何の気なしに部屋を覗いたものと考えたらしい。
しかし、次の瞬間、ある事実に気づいて母は震え上がった。
そう・・・母の部屋は2階にあった。
恐ろしくなった母は、大声で、居間に居る両親を呼んだ。
「お父さん!お母さん!」
そして母がふすまを開けた瞬間、居間の電気がパチパチっと消え、ばたんと玄関のドアが閉まる音がしたという。
次の日、両親に聞いてもそんな事はなかったといわれた母は、その日から両親と一緒にしばらく寝る事になったらしい。
窓に居た女の子と、なぞの喋り声はなんだったのか・・・。
いまだ分からずじまいである。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話