近所で有名な徘徊老人の話。
家の近所には十一時くらいになると紐でなんかを引きずってるおばあちゃんが出没します。
「マーちゃん疲れたか〜」とか言いながら何かをズルズル引きずってるんだけど、暗いし気持ち悪いから、何を引きずってるかはあまり見ないようにしてました。
自分の中では、気がふれちゃったせいで昔のペットの遺品でも引きずってるんだろうと、漠然と思ってたんだけど、そのうち何を引きずってるのか妙に気になりだした。
その日、十一時くらいになって、あのばあちゃんを探すと、やはり、いた。
何かを引きずって。「マーちゃんご飯は〜?」とか言ってる。
いつものようにそそくさと横を通り過ぎ、距離が縮まったところでフッとそれを見た。
それは、ズタズタになった子供の靴だった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話