「オイどうせ暇なんだろ。遊びに来いよ。」
クリスマスの夜。彼女のいない俺は今年も友人の健と飲んで過ごそうと思っていた。
「おう。いいぜ。」
健も了承したので、俺は散らかっていたものを片付けるとテレビでも見ながらあいつが来るのを待っていた。
ふとテレビでこんなニュースをやっていた。(犯人は異常者か?続く猟奇殺人、犯人は殺した相手の右目を取りいまだ逃走中。まったく物騒な世の中になったものだ。
そう思っていると玄関のチャイムがなった。俺は健が来たっと思った。腰掛けていた椅子から立ち上がり俺は一応のぞき穴から扉の向こうの相手を確認した・・・その時向こうの相手と目が合った。
俺は一瞬驚いたがすぐに健の悪戯だと思いドアを開けようとした。しかし、そこで気づいた。
(あいつの健の瞳の色は茶色だ。こいつは黒だ。)
そう思うと、ふつふつと恐怖がこみ上げてくるのが分かった。いやしかし見間違いかと思い、もう位置度のぞき穴から相手を確認しようと目を近づけようとしたその瞬間。
バリッという音とともにのぞき穴から針が突き出した。ドアの向こうからは「ちっ」と言う舌打ち。ドアはガンガンと叩かれドアノブもガチャガチャと激しい音を立てて回される。いまにも突き破って入ってきそうな勢いだ。
俺はパニックになる心を落ち着かせた。アパートの一階に住んでいたことが幸いした。ベランダから外に飛び出すと、健の家に連絡をして、彼の家に駆け込んだ。とりあえず事情を説明して一晩寝かせてもらった。
その翌日。俺は健の家の電話をかりて警察に連絡をした。づうづうしいながらも朝食も食べらせてもらった。といっても家には俺と健の二人しかいなかったが。
朝食を取っているさいちゅう俺は健に昨日のことを詳しく説明した。健は大変だったなあといいまあお前が無事でよかったと言ってくれた。俺は安堵のためか涙がこぼれた。
さて。いざ警察におもむこうとしたとき、ふと足元にナニカ光るものを見つけた・・・忘れもしないあの針だった。
「なあ健。お前の母ちゃん、今はパートに出かけてるよな・・・父ちゃんは?」
「知らない。ああでも昨日は帰ってきたぞ。まあ夜も遅かったからお前は起こさなかったけど・・・なんか親父の目かなり血走ってたな。」
「親父さん今どこに?」
「ん?多分まだ寝てると思うけど。」
「そっか・・・・!」
俺はいってくると言おうとしてふと健のほうに目を向けた。そこに視界の端に捕らえるものがあった。親父さんだ・・・こっちを見る目は昨日のそれに瓜二つだった。
「なあ健。お前も来いよ。」
「え。なんで?」
「いいからこい!」
俺は健を連れて警察まで行った。その日、健の親父さんは捕まった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話