短編2
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ピアノ

10年くらい昔の話。

親戚の家の地域で公民館?(体育館がついてる)みたいな施設を新しく建て直したんだそうだ。

で、ある日その親戚のうちの娘が親の用事のお供でその建物を訪れたとき。

一台のアップライトピアノが入り口においてあった。

ちょっと古いピアノだったんできっと誰かが寄付したんだろう。

いとこはそう思ったらしい。

待っているのも暇なので、そのピアノに近づいた。

ふたが開いていて、なぜかビニールのひもで固定してある。

「そのピアノなんだかふたがゆるいみたいなのー」と事務所のおばちゃんがいって、用事が済むまで弾いてもいいことになった。

家では電子ピアノしか弾いたことがなかったので、その子は静かにピアノの音を楽しみながら練習曲を弾いていた。

そしたら、誰かが後ろでつんつん、と髪を引っ張る。

手を止めて後ろを見ても、誰もいないし、建物の玄関も閉まったまま。

おばちゃんや自分の親は玄関わきの事務室みたいなところでなんかしゃべっている。

あれ?気のせい?と思ってまた弾き始めるとつんつん、後ろには誰もいない。

変だなと思っていたら、耳元で「おねえちゃん・・・」と聞こえた気がした。

気味が悪いので弾くのをやめてみんながいる事務所に戻ると、おばちゃんが聞いてもいないのに「あのピアノ、誰かがいじってるときよくふたが閉まっちゃうのよねー」といった。

そのピアノを弾いたのはそれっきりだそうだが、去年の正月にその子に会ったら、「あの子きっと、「おねえちゃん、あたしのピアノ弾かないでよ・・・」っていいたかったんじゃないかな?」といってました。

なんかすごく怖かったです・・・。

ピアノの由来はわからずじまいでしたが。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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