友達のAから聞いた話。
友達のAが二年前、受験のために深夜に部屋で勉強してたら、ドアをノックする音が聞こえる。
「A、夜食持ってきたからドア開けなさい」
母親の声だ。ドアにはカギがかかっていたから開けよう、と思ったとき、両親は法事で田舎に帰っているのを思い出した。
一瞬でパニックになって携帯をかけようとしたが何故か圏外。
どうすることも出来ずにじっと黙っていると、そのまま階段をトントン降りていく音が聞こえた。
すると10分後、「○○、おやつ持ってきたからドア開けなさい」とまたノックが聞こえる。
○○君が黙っていると、突然
「開けろっ!開けろぉ!!!!」
と突然気が違ったように怒鳴りだした。
叩かれる勢いできしむドアを必死に押さえていると、今度は涙声で「お願い……○○……ドア開けてぇ……」って懇願してきたが、最後まで絶対開けなかったそうだ。
そのまま10分ぐらい経っただろうか。
「チッ」
っという母親の舌打ちと共に、ドアのノックが止まった。
何も起こらずに時間が経ち、安心してリビングに降りた○○君が見たのは、壁にクチベニで書かれた
や っ と あ け た
の文字だった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話