中編4
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拝み屋

これは後輩Sから聞いた話しだ

Sは村出身のまぁ絵に描いたような田舎者だ

S村ということにして話しを続けさして頂く。S村はもの凄く閉鎖的なようで話を聞く限り部落的な話かなと思い聞いていたが周りに集落はなく差別などなく村全体が仲が良いそうだ。

変わっているのは一つ拝み屋という存在、村のはずれに位置する平屋の連なったような建物

中学生くらいまでは神聖な神社のような者だと思ってたそうだが(大人からは絶対に近付くなと言われたらしい)高校になると実は風俗的な施設だと知ったらしい

閉鎖的な村なので争いや性犯罪を防ぐ為にあるらしい。

俺「お前の話しは結局下ネタだな!」

S「まぁそうなんすけど、高校生活には刺激が必要でしょ?」

俺「まぁ下の刺激は大切だな!」

その拝み屋は観音の間、コケシの間、裏蓑の間、など色々な部屋が在るらしく興味深々だったようだ。

俺「コケシってもろにバイブだろ?裏蓑ってなんだろ、ホウケイ専用とかか?観音は想像つかんなぁ」

そんな下品な話しをしていると飲み屋の大将が教えてくれた。

大将「観音は多分、女性器のことで!」

と教えてくれた。大将いわく、観音開きみたいだろうと。大将くらいの世代だとそういう表現だったらしい。

俺「で初体験はそこか?」

俺はからかうつもりで聞いたのだがSの表情は冴えない.....この時は珍しく二人で飲んでいた。

珍しくというのは仕事終わりの週末はだいたい皆で飲むのだが、この時は二人だし、Sは誘われる側の人間で誘う側ではないはずなのにこの時はSからだったのだ。

話はここからSが村をでるまでの経緯を聞くことになる。

登場人物はS、Sと幼なじみのK、そしてハグレ者のA一家。

ハグレ者とはいうがA一家というのは拝み屋の一族らしく周りの大人たちからは一つ上の扱いをされていたらしい。

そこの一家にはS達と同級生のA(男)がいて同じクラスだったそうだ。

村では一つ上の扱いをされていたとしても、高校生同士だとやはり家が風俗的なものだと分かるとイジメといかずともからかう対象になっていた。

最初はからかい半分でもそこから加速していくのがイジメだ。いつの頃からかはわからないが確実にイジメに変わってきていた。

Aには姉が二人いてKとSの目は姉を蔑む悪口へと向いていたらしい。

K「姉ちゃん二人とやりたいほうだいか?どっちがよかったんや?」

みたいな事は日常茶飯事でビデオとってこい!などもKは命令していたと言っていたがSはSがなにをしたかは語らなかった。

そして事件は起きる....姉の自殺未遂だそうだ。

小さな村にとっては大きな事件だ。

それからAにすれ違ったときAが呟いたそうだ

A「....観音送りにしてやる」

KとSはその態度にムカついたらしいがAの怨みの視線に退散したらしい

姉の事件がKとSのイジメかはわからないが確実にAの矛先は二人に向いていた。

それからしばらくして拝み屋からの使者がK宅に突然きたそうだ。

それから村は騒然となりK一家は拝み屋の怨みをかった、もう関わるな!という話が近所で駆け巡ったそうだ。

でSは次は自分の番だと怯え両親に話をし、一家ごと逃げ出したそうだ。

でSの本題とは風俗恐怖症!.....ただ単に風俗に連れていって欲しいとの事!

.......家族ごと村を逃げ出す程のことがあり、人の怨みをかってもまだ人の性欲は衰えないとは恐ろしい..........

その後は風俗街に消えて行く俺とSの背中を見送りながらどこかに電話をする大将の声が聞こえた..

大将「...ええ...今から....方面で.....」

「おーい!」

C先輩だ。C先輩は俺の高校の先輩で今はキャッチをしている。

まぁなんて都合のいい場面で現れるんだこの人は。

C先輩「二人なんですが入れますか?」

もう店に連絡してやがる....まだ行くとも言ってないのに...まぁ俺の知り合いの紹介の方がSもいいだろと思い先輩に声をかける。

俺「まだ行くとも言ってないんすけど。」

C先輩「....でもでもでもそんなの関係ねぇ!そんなの....」

俺「酔ってても笑えないすよ?」

C先輩「.....はいニ名様はいりまーす!」

俺「最後まで無視ですか?良い娘じゃなかったら二度と来ないっすよ!」

先輩と俺のクダラナイやり取りに安心したのかSは笑顔だった.......何故かC先輩は申し訳なさそうだった。

で事が終わって店をでて帰り道。

俺「どうだった?...当たりかハズレかどっちよ?」

S「ちょっと当たりでした!」

俺「....ちょっとの意味がわからんわ!」

S「暗くて顔は余りみえなかったでしたけど手首にリストカットの痕が.......でも生でいいらしいので生で!外にだしましたけどね!」

俺「...ハズレじゃね?」

つか病気怖くねーのか?と思いながら、Sも笑顔だったのでお互い笑顔でわかれました。

...ここまでが一年前の話です。

今のSはコケシのように全身の毛が抜けて闘病中です....観音送りとはこの事なのでしょう..............Sは独りっ子です....子消しとは子孫を消すのでしょう........人の怨みは恐いです

今はSの視線が原因はお前だと言われているようで見舞いには行ってません。

長々とすみませんでした終

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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