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短編1
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相合傘

雨の激しく降るある日、女性が通り魔に刺され死亡する事件が起きた。

話は数ヶ月前に戻る

男はいつも同じ駅で降りる女性に恋をしていた。寝ても覚めても女性の事を考える毎日。

それから暫らくして、声を掛ける勇気が無い男性に女性から声を掛けてきた。

「お疲れ様です。いつも遅くまで大変ですね!それじゃあ私こっちなんで」

今まで女性に縁の無かった男は天にも昇る気持ちになった。

それからはすれ違う度に軽く挨拶をしていた。

ある大雨の日、男は駅の改札を過ぎてさあ帰ろうと傘をさすと、あの女性が困った表情で立っていた。近くにコンビニも無く売店も閉まっている。傘が無く立ち尽くしていたらしい。

男は「どうぞ使って下さい!」と言い傘を渡すと自宅へ向かい雨の中を走って行った。

雨宿をしつつ帰っていると救急車とすれ違う。

何か胸騒ぎがして駅へと戻ると

女性が血まみれで倒れており、救急車に搬送される所だった。

激しい雨に打たれながら男は頭の中が真っ白になった…

それから雨が降るたび男は駅前で女性をみかける。

困ったような優しい笑顔を見せながら傘を差し出す仕草をしている。

男は…ある事を決心する

とある街のとある駅では雨が降ると相合傘をした仲の良い男女の幽霊が見えるという。

それも1つの幸せの形かもしれません

怖い話投稿:ホラーテラー G.Wの申し子さん  

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