A「まず、お前が聞いた事言ってみ?」
俺「いや、あのつまり、ハンチングは交通事故かなんかで頭がちぎれて死んじゃって、そんで
事故に遭ったの気付いて無くって、外傷のない綺麗な姿で幽霊になって出てきたけど、ハンチング…さんの頭がAのスリッパ攻撃でちぎれ落ちて、それ認識して落ちた頭が元に戻らなくなってAを怨んで…」
A「うおぅ~一息で一気にキタ━━━!!凄いぜ肺活量!」
俺「だけどAに近寄れ無くて、あきらめて廃病院に帰ったハンチング。実はAの父ちゃんの友達で25歳という若さで結核で、」
A「まだ言うか!止め、STOP!!Dont move!」
A「とにかくお前は大きな勘違いをしている。死因は病気、結核」
俺「頭、もげちゃう?」
A「もげないもげない」
俺「だって、グチャッ、ゴロゴローって、」
A「ボトン、ドサッだ、とりあえず落ち着け」
俺「ボトン、ゴロゴローン…フヒヒって、」
A「……もう、その1 から読み直せよう」
A「そういえばお前には言う機会無かったんだよね…いいか、黙って聞けよ」
A「植毛ってあるよね。ありゃスゲーよな。本物の髪の毛と見分けつかない。スゲーよ
ただ、あまり範囲広いとお金かかってしょーがねー。だから今でも装着型が主流なんだよ。
残った頭髪にパチッパチッて止めるとか。以外と蒸れないし、プールにも入れる優れ物」
俺「唐突になんだよ?まさか…Aって…」
A「ん、んな訳ねーだろ。俺まだ20歳だぜ、見ろ!ボサボサだろ。黙って聞け。
昔のカツラってさ、今と違ってまさに被るって感じ、時代劇のズラみたいな塊を」
俺「あ、俺わかった。ボトン、ドサッて…」
A「ボトン(ハンチング帽子)ドサッ(ズラ) 落ちたのはソレ
…秘密だったんだろうな。誰にも知られたく無かった…たとえそれが死んだ後でも。」
俺「そっか…」
A「ずっと独りで隠して来たんだろな。あんなに愛されて、自分の居場所は沢山あったけど…秘密も大きかった」
俺「限りある命をめいいっぱい生きて…秘密を守り通した…か」
A「だから、あんなに怒って…看護婦さん位だろな、見られてもいいやって許容範囲」
そろそろ日が暮れる。心残りはあるが、これ以上、俺達に出来る事は何も無かった。
俺「今も居るのかな…あそこ(廃病院)に」
A「ハンチング帽子乗せたカツラを小脇抱えて…か?…いたたまれないな
あ、写真燃やすから手伝って」
おわり ?
怖い話投稿:ホラーテラー なみすけさん
作者怖話