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短編1
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勿忘草

心にポッカリと穴が空いたようだった。

連休に入る前と明日から学校や仕事が始まる時のテンションの差が五月病の原因の1つかもしれない。

何もやる気が起きないし手につかない。

でも俺は五月病なんかでは無い。

家に居ても堂々巡りの繰り返し、少しでも気を紛らわす為に外へ出る。

連休最終日で家族連れの父親が疲れながらも有意義な顔をしていた。

人で込み合う駅前、自分だけがひとりぼっちに思えてくる。

彼女がいなくなってから俺が見る景色は灰色。

大切な人を失う事がこれほど怖いとは…

その夜…彼女の夢を見た。

草花が好きだったあなたと一緒に藤や蔦で出来たトンネルを歩いている

会話は無いが幸せだった

目を覚ますと枕元に彼女が立っている。

金縛りで声が出ないが意思の疎通は出来た。

彼女は俺の事が気がかりだったらしい。そして「強く生きて」と願っていた。

気が付くと朝だった。

枕元に一輪の花が…

きっと彼女が置いて行ったのだろう。

すぐに花の名前と花言葉を調べる。

思わず俺は泣いてしまったが、その勿忘草という花を見ていると視界に色が戻った気がした。

また日常に戻っていくが俺は決して忘れない。

彼女との思い出を大事に胸にしまって生きていこう。

花言葉

真実の愛

私を忘れないで下さい

怖い話投稿:ホラーテラー G.Wの申し子さん  

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心にしみる良いお話しです。

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