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短編2
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山の中の迷子 1

私にはとても愛しく思っている妻がいます。

といっても今の妻と結婚する前に私は他の女性と結婚、そして離婚していましてつまりバツイチだったわけですが、妻は特に気にするわけでもなく私と付き合い結婚に至りました。

当時バツイチを大きな不名誉と思っていた私にとっては妻にとても感謝し、そしてもう離婚するようなことはしないと固く誓い、妻との相性もあってか今までおしどり夫婦として一緒に過ごしていました。

そんな妻と休みの日に山へ散歩に行った時の話です。

私たちの住んでいる家の近くには小さな山があり、頂上近くに開けた場所があるんですが、そこはよく子供達が遊んでいたり小学校の遠足に使われていたりしてました。

つまり子供でも気軽に登れるような山なのですが、私たち夫婦は一度もその山に行ったことがなかったので今度の休みに二人で行ってみようということになったのです。

最近は忙しく妻とゆっくりした時間を過ごせていなかったので良い機会だとも思いました。

そして休みの日、朝に軽く準備をしてさっそく出かけることになりました。

「別に朝から出ることはなかったんじゃないか?1時間もあれば着いてしまうらしいぞ。」

「いいぢゃない、別に。お弁当もあるんだし、食べたら戻って午後は家でゆっくりしましょうよ」

「そうだな~」

そして、やはり1時間ぐらいすると頂上近くの開けた場所に着いてしまい、私たちは少し早い昼飯を食べることにしました。

「けど、やっぱりいいわね。天気は良いし空気は綺麗だし、気持ちも晴れてくるわ」

「来て正解だったな。お、これ美味しい」

「本当?腕をふるって作ったかいがあったわ♪」

「こういう所で食べると何でも美味しく感じるんだよな~」

「どーゆー意味よ(笑)」

などと他愛のない会話をしながら、本当に来て正解だったなぁと思っていました。

弁当も食べ終わり、さて帰ろうとするとどこからか泣き声が聞こえてくるのです。

えーん…

えーん…

えーん…

「なにかしら?」

「どうやら、どこかで子供が泣いてるみたいだな、迷子になってしまったのかもしれない。探してみよう」

「けどどっから聞こえてくるのかしら?よく分からないわ」

「とにかく探してみよう」

そして泣いている子供を探しはじめたのですが不思議なもので、泣き声がどこから来るのかよく分からず、まるで周り中から聞こえてくるようでした。

続く

怖い話投稿:ホラーテラー 悠さん  

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