「なんですか?」
( なんだよ! 何か言えよ! )
( 黙って行くなよ! )
「何か用ですか?」
( 何なんだよ! さっきから。 )
( 人の顔、ジロジロ見やがって。 )
( 俺の顔に何かついてんのか? )
( もしかして鳥のフンか何かついてる? )
( どっか、鏡ねえかな。 んーと、あっこのトイレ行こ。 )
( んー? 何もついてねえじゃん。 )
( 俺の格好か? 別に変じゃねえじゃん。 )
「ヤベッ。遅れる」
( あいつ等、遅れっと怒るからな。 )
「わりぃ、わりぃ。 なんかジロジロ見てる奴がいてさ」
「なに? どしたん? なんかついてる?」
「なんだよ。 どうしたんだよ? なに、ジッと見てんだよ?」
「なんなんだよ? お前ら。 謝ってんじゃんよ?」
「遅れて悪かったよ」
「え? 後ろ? 何もねえじゃん! 背中?」
「背中って何もねえよ! なんだよ? なんにもねえよ!」
「女? 女ってなんだよ? おい、やめろよ」
「おい、待てよ。 どこ行くんだよ」
「おーい、待てって!」
( なんだよ! ちょっと遅れただけじゃん )
( んな、怒んなくったっていいじゃんかよ )
「ピ、ポ、ピ ・・・」
「おい、お前ら、そんなに怒んなくっ ・・・ !」
「なんだよ! いきなり切んなよ! ったく!」
「ピ、ポ、ピ ・・・」
「・・・・・・・・・、っ! 着拒かよ!」
( なんだよ、コレ! そんなに悪いことしたか? )
( ん? なに、皆見てんのよ? 俺か? )
「なんだよ? ちょっと友達と言い合っただけだろ? ジロジロ見んなよ!」
( っんだよ! 最悪だよ! )
( どうしたんだよ? なんで皆んな避けて行くんだよ? )
( 俺が何したって言うんだよ? )
( なに遠巻きに見てんだよ? 後ろに何かあんのかよ? )
( なんにもねえじゃんよ? )
( なにが、あんだよ? 本当になんかいんのかよ? )
( 俺の背中になんかいんのかよ? )
( 何がいるんだよ? なんにも感じねえよ! なんだよ? )
( 何も見えねえよ! いねえよ! )
( いるのか? 何かいるのか? )
( 俺の背中に、なんか乗っかってんのか? )
( 皆んな、見えてんのか? )
( 俺だけか? 見えてないの、俺だけなんか? )
「何があるんだよ? 教えろよ。俺の背中に何があるんだよ?」
「逃げんなよ。 皆んな逃げんなよ」
「たのむよ。 教えてくれよ。 見えてんだろ?」
「お前らには見えてるんだろ? 何がいるのか、俺に教えろよ!!」
怖い話投稿:ホラーテラー 銀狼さん
作者怖話