続きです。
それからしばらくして、
母が飲み物を買いに行くと言い席をたちました。
祖父は、母の姿が見えなくなるとまた…、
「…あかんのかぁ」
「…寂しいなぁ」
祖父は、ずっと繰り返し言います。
その顔は凄く、凄く寂しそうでした。
何分くらいでしょうか?凄く居心地悪かったんです。
祖父がかわいそうになってきました。
こう言えばすむのかと、
「…私、途中までなら一緒にいけるよ」
私がそう言うと、祖父は本当に嬉しそうに、
「ほんまか?!ほんまにええんか?」
場面が変わりました。
私と祖父は、駅のホームに居ました。
凄く大きな駅でした。たくさんの電車があります。
たくさんの、いろんな人がいます。
駅も電車も異世界な感じはなく、ごく普通でした。
ただ祖父以外の人だけは、ただの影でしかなく、真っ黒で顔も性別も分かりません。
「どの電車のるん?」
祖父に訪ねると、
「これや」
と祖父が指差した電車は、大阪の環状線でよく見かける黄緑色のやっぱり普通の電車。
時計を見ると、昼の15時38分でした。
電車に乗り込み、電車が出発しました。
真っ黒い影の人たちも、何人か同じ電車に乗りました。
街中を走っていた電車は段々と田舎の方へ向かいます。
トンネルを抜け、どんどん山を上っていきます。
天国に近ずいていってんかなぁ?
窓の外が暗くなってきました。
このまま乗ってたら私死ぬんかなぁ?
祖父は隣で凄く嬉しそうです。
もう帰られへんのかなぁ?
暗くなるにつれ、私は怖くて不安になっていきました。
私はもう耐えられなくなり、
「やっぱり、暗くなってきたし私帰る!」
車両全体に響く声で叫びました。
「…そうかぁ」
祖父の言葉と同時に真っ暗になり、
見覚えのある天井が見えました。
無事に夢から覚めることができました。
凄く怖かった。
妙にリアルで、本当につれてかれると思った。
私が今までみた中で一番怖かった夢の話です。
しょおもなくてごめんなさい。
じぃちゃんへ
じぃちゃん、ごめんな。
まだ一緒に行かれへんわ。
まだやりたい事あるから。
あと60年~70年待ってて。
そしたら、また会えるから。
ばぁちゃんも、こないだいったからもう寂しくないやんなぁ?
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話