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短編2
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真夏の駐車場

3年前の夏、ヒマだった俺はドライブに行く事にした。

1人ではつまらん、と友人のN子を誘い海へ向かった。

途中腹が減ったのでコンビニで弁当を買い、車を止めてゆっくり食べれる場所を探していた。

「ここでいいんじゃね?」と俺はパチンコ店の駐車場に入った。

あまり流行っていないようで、広い駐車場だが数十台しか車は止まっておらず、幸い警備員もいなかった。

数台止まっている間にエンジンを止め弁当を食べ始めた。

「暑いから窓全開にして」とN子が言うので全ての窓を開放していた。

食べ終わった俺は「ちょっと煙草吸ってくる」と外に出ようとすると

「えぇー!?あんた本当はパチンコしたくなったんじゃないの?」と笑いながらからかってきた。

「あほか!」と車の周りをぶらぶらしていた。

中に戻ろうとした時、数台隣の車から『ドンドン』と窓を叩くような鈍い音がした。

そちらに目を向けると、小さな男の子が車内から苦しそうに叩いている。

真夏の閉め切った車内の気温は60〜80℃にもなると聞く。

俺は急いで車を開けようとしたが、案の定鍵が掛かっている。

その間も男の子はぐったりとなっていた。

俺はN子に「子供が車内に取り残されている!店内放送かけてもらってくる!お前見ていてくれ!」と言うと

N子は「ヒドい親ね!わかった、早く行ってきて!」と見張ってもらった。

俺は店内に入りカウンターの女の子に「子供が車内に取り残され熱中症だ!急いで呼び出してくれ!車番は…」

女の子は急いで店内放送をかけた。何度も繰り返して。

気になった俺は車に戻る事にした。

戻るとN子がへたり込んでいる。

「!?」

「おい!N子どうしたんだ!?しっかりしろ!」

N子の体を揺さぶると震えながら

「さ…さっきまで男の子が苦しんでいたのに…いきなり白目剥いたと思ったら狂ったように笑いながら消えちゃった…」

車内を覗くとたしかに男の子は居なくなっていた。

しばらくすると車の持ち主であろう中年の女がやって来た。

「あなた達?子供がどうしたとか…私子供なんて連れて来てないわよ!」と怒ったように話しかけてきた。

一連の話をしたが、女は「は?なに言ってんの?この忙しいのに!」と信用してくれなかった。

それはそうだろう。

俺達は「見間違いでした、すみません」と謝りその場をあとにしたが、あれは絶対見間違いなんかではなかった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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