田舎のおばあちゃん1の続きです。
引っ越し後、
都会には、田舎にないものがいっぱいでした。
公園には遊具がいっぱいありますし、
なにしろ、そこで一緒に遊んでくれる同じ歳の友達が沢山いました。
最初は寂しがっていた私ですが、
すぐにおばあちゃんの事を口にしなくなりました。
友達がいるから寂しくないのもありましたが、もう一つ原因がありました。
引っ越し後、母に「もうそんな事は言わないで」
とひどく怒られたのです。
子供心に、母とおばあちゃんは仲が悪く、引っ越したのもそのせいだと思っていました。
怒られたくないのでそれ以降は口にださないようにしました。
月日が経ち、
一度もおばあちゃんに会わないまま、私は中学3年になりました。
それまでまったく忘れていた…というか、気にもしていなかったのですが、
ある日ふと疑問に思い、母に聞いて見ました。
「昔一緒に暮らしいたおばあちゃんはどういう親戚?」
父方の祖母は同じ市内に、母方の祖母は九州の方にいる為、あのおばあちゃんはどちらの母親ではない事は分かっていました。
親戚のおばあちゃんなんだろうと思っていたのですが、
母曰く、「誰の話?」
と怪訝そうな顔で聞いてきました。
「あの家には2人で暮らしてたでしょ。親戚の叔母さんと勘違いしてるんじゃないの?」
いやいやそんなはずはない…っと、
「ほら田舎で一緒に住んでた~~
私の面倒見てくれてた~~」
と私は必死に説明しました。
すると母は思い出したように
「そういえば一人遊びの時によく『おばあちゃん』って言ってたわね。」
と言いました。
私はとてもショックを受けました。
だとすれば、おばあちゃんは私の一人遊びの妄想。
私は凄く危ない子だったと言うことです。
危ない子を撤回する為に喋り続けている私に向かい、
母は笑顔で言いました。
「もしかしたらあなたが寂しくないように、ご先祖様が面倒を見てくれてたのかもね。それならお母さんは感謝しなくっちゃ」
変な話ですが妙に納得しました。
彼女のお陰で私は本当に楽しく過ごせたのです。
このままだと感動(?)話なのですが、
実は後日談があります。
…が、また一旦区切ります。
続く
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話