短編2
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事故現場にて

俺の住んでる町から隣町へ向かうには、海岸沿いの国道2号線を通る

その道は国道2号線のくせにやたら道幅が狭いし1車線しかない

その道を通って俺はAと車で隣町へ向かっていた

春先で風が気持ちいいから窓は全開

上機嫌で車を走らせてると、突然二台前を走ってる大型トラックが急ブレーキをかけた

俺も慌ててブレーキ踏んで止まった

そしたら直ぐにトラックの運転手が道に飛び出したのが見えた

俺「なにがあったんかな?」

A「…事故じゃ。人が轢かれた」

俺「マジで!?俺ちょっと見てくるわ」

そう言って俺が車を出ようとしたらAが俺の手を掴んで止めた

A「止めとけ…と言うか今は外を見るな」

Aを見たらかなり目がマジだった

俺「お前見えたん?」

A「見えたって言うか…視えた」

俺「?」

A「轢かれた女死んだわ。で多分死んだんに気付いてない」

俺「?」

A「俺は幽霊視えるんじゃ」

初耳である

A「なんか叫びょうる。俺は視えるけど聴けれんけぇなんかはわからん。でも目があったらヤバい」

普段なら笑う所だが、笑えない雰囲気があった

暑くもないのにAからは汗が噴き出していた

俺「ち、ちなみになんが視えとん?」

A「…胸から上だけで血塗れの女。ええか外見るなよ。視えてなくても目が合ったら憑いてくるで」

そう言うとAは俯いて喋らなくなった

俺も下を見てジッとしてた

しばらくすると後ろの車のおっさんが大声だしながらトラックに近寄っていった

おっさん「われなんしとんじゃ!さっさと進まんか!」

すると運転手が

運転手「進めじゃと!?この状況でお前進めるんか!?」

チラッと見たら運転手はトラックの下を指差してた

トラックの下にあるであろうソレを見て、おっさんは無言で車に戻っていった

A「…あのおっさんに憑いて行った…」

俺「え?」

A「無意識で目が合ったんじゃろ。あのおっさんの背中にしがみついとったわ」

俺「ヤバいんじゃないん?」

A「俺にはどうも出来ん…」

そう言うとAはまた俯いた

道が通れるようになるまでかなり時間がかかった

その後俺達は気分が萎えて遊ぶ気にもなれなかった

見知らぬおっさん…

まだ生きてるかな?

怖い話投稿:ホラーテラー Mさん  

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