短編2
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山姫6

本当申し訳ないです。6が抜けてたみたい。

僕は目を覚ました。

便意や喉の渇きではなく、無意識にだ。

何故かはわからない。

外は雨風が強いのか轟々と音をたて、雨の雫一滴一滴の音や、木々の葉が擦れる音が聞こえる感覚。

妙な感覚だ。

聞こえる、というより脳に直接伝わっていると言った方が正しいだろう。

時計をみると24時を回っていた。

すると突然、

ザザザザッ

ザザザザッ

足音だ。

小屋の外を誰かが走り回っている。

ザザッ‥ザッザッ‥

今度は歩いてる。

不思議な感じだ。外の様子がこんなにもはっきりわかるなんて。

これがオーナーの言っていた“招かれている状態”だと思い知るには、状況的にタイムリー過ぎるだろう。

皆、起きており、バッチリ“招かれていた”らしい。

うぎゃぁあぁあ

ううっ‥おぉおぉ

今度は得体の知れないうめき声が聞こえる。

まるで超音波のように僕らの耳から脳に突き刺さる、嫌な声だった。

僕は小屋の小窓から、横顔だったが“女”が確かに横切ったのを確認した。

僕「やべぇっ‥山姫だ!」

C「ケンジっ!静かにしろ。

おれ達を探してるんだ‥おれ達がここにいるって事をアイツに悟られないように‥。黙ってやり過ごすぞ。」

冷静を装っていたCだったが、唇は震え、顔面蒼白だった。

僕らは互いの服を必死に掴む。

すると

ドンドンッ

ドンドンッ‥

今度は小屋の外壁を叩きはじめたらしい。

それも四方から。

ドンドンッ

ドンドンッ!!

叩く音は激しさを増してゆく。天井からも響く。

上に登り、屋根を叩いているのだろうか。

恐ろしくて想像すらできない。頭がクラクラする。

イカレてやがる‥!

頼むから‥もうやめてくれ!

目をつむり必死にそう念じた。恐らくこう思ったのは僕だけではないだろう。

するとピタッと音は止んだ。

不思議な事に雨風の音も止み、不気味な静寂さが山小屋に漂っていた。

B「‥もう行ったんじゃねぇか?」

A「おいおいちょっとやべぇだろ‥シャレんなってねぇって。やばくないか。とりあえずランプつけよう。」

Aがランプをつけると、暖かな優しい灯りが小屋の中に広がる。

しかし、Bが小窓を指差し、金魚のように口をパクパクさせている。

皆、窓の方を向くと、真っ白な顔の女が窓にへばり付き僕らをじっと見つめていた。白目だったが、とにかく凝視しているに違いない。

‥目が合っちまったっ‥!

怖い話投稿:ホラーテラー ケンジさん  

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