短編2
  • 表示切替
  • 使い方

優太

「もういいよ!」

あたしはその日、彼氏の優太と喧嘩した。

きっかけはとても些細なこと、あたしが悪い。

優太ん家からの帰り道、どう謝ろうか悩んでいた。

優太は優しすぎる。

そんな優太にあたしはイライラする。

自分を押し殺してるようでいやなのだ。

「奈緒ーーー!!」

遠くから息を切らしながら優太がきた。

「優太…あのね、ごめ…」

「別れてほしいんだ」

突然そんなこといった優太にあたしは唖然とした。

「待ってよ、あたしが悪かったからそんなこと言わないで!!」

だけど優太は首を振り、行ってしまった。

突然のことにあたしは立ち尽くすことしかできなかった。

なんで…。

あたしはその日、大泣きした。

学校(高校)にも行きたくなくて部屋にこもっていた。

顔なんてあわせられないし…。

また寝ようかとベッドに入ろうとしたら携帯が鳴った。

親友からだった。

「奈緒、大変!優太が昨日事故にあって…」

そこから先は聞こえなかった。

いや、聞きたくなかった。

昨日、私と別れたその後に車にひかれたという。

車からいうにはいきなり飛び出したらしい。

まだ別れた理由聞いてないよ。

あたしはまた泣いた。

しばらくたち、あたしはフラフラと外にでた。

あたしにとってはすべてだった…。

後悔ばっかり押し寄せる。

パッパー。

クラクションが鳴った。

もう、いいよね。

あたしは目をとじた。

目を開くと真っ暗なところにいた。

死んだのかな。

「奈緒」

懐かしい声が聞こえて振り向くと優太がいた。

傍に行きたいのに動かなかった。

「優太!どうして別れるなんて言ったのよ!」

「…………」

優太は何か言いたそうだか声をだすのが辛そうだった。

(本当は途切れ途切れです)

「奈緒、俺は奈緒が好きだ、別れたくなかった」

「優太!」

「でも、俺には霊がついてるんだ…、このままじゃお前が危険だった」

優太はにっこり微笑み。

「お前は生きろ」

「待ってよ、嫌だよ、あたしはどうすれば…」

「俺の部屋の引き出し開けて」

そういい、消えてしまった。

目を開けると病院だった。

親や友達が心配そうに見ている。

あたしの怪我は奇跡的に軽かった。

退院して優太の家にお邪魔し、引き出しを開けさせてもらった。

私は涙が止まらなかった。

指輪だった。

生きて行こう。

優太のためにも。

怖い話投稿:ホラーテラー 奈緒さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ