短編2
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渋滞の橋の上で…

過去に何度か、霊らしきものを見てますが、恨めしそうとか、鬼の形相とかいうのは一回もないですね。むしろ無表情で視線が定まってないというのが自分にとっては定番です。

それでも何となくこれはヤバいというのは分かります。全身の毛穴という毛穴から針を刺したような痛みと吐き気が襲ってくるので…

そんな体験を一つ……

今から20年以上前の話しです。比較的東京に近い千葉県の遊園地で有名な町に住んでいました…

当時腎臓を患い人工透析をしていた父を車で病院まで送ることになりました。なぜそういうシュチュエーションになったのかまでは覚えていませんが、市川の病院で夜に行うことになったので、夕方出掛けていきました……。

あの辺りに詳しい方がいらっしゃったら場所が特定出来てしまいますが、浦○から元○幡に向かう途中には川が流れていて、比較的長い橋を渡るんです……。

人口透析って5時間位かかるので(当時…、今もでしょうか?)父を送り届けて一回家に戻ることにしました。

その帰り道………

帰り道は渋滞していました。もう辺りは暗くなりかけて、ヘッドライトを灯けるかどうしようかという位の感じ…分かりますよね?

渋滞でのろのろと進みながら先ほど渡った橋にさしかかりました。今なら漫然運転とお叱りを受けそうですが、ボケーっとしながらのろのろ橋を進んでいたんです。

前方には当時流行っていたガラス全面に真っ黒いスモークフィルムを張ったワンボックスカー…

ちょっとヤンキー車っぽかったので充分に車間距離を開けて、でもボケーっとしながら橋をついて行きました(笑)

そのうち、そのワゴン車の後部から子供(男の子でした)がこっちを見ているのに気がつきました。ボケーっとしているので特に感想はありません。「あ~、子供が中から見てるな~」くらい…、車を運転される方なら分かりますよね、このカンジ………。

ところが橋の中程あたりでハッと気づいてしまったんです。

黒いフィルムを張ってある車の中が見えるはずがないことに………

子供、窓の内側ではなく、外側だったのです。

そう、窓に無表情な顔だけが張り付いていたんです………

その瞬間、体中を針で刺したような強烈な痛みが襲いました。

ヤバい、これはヤバいと思ったものの、渋滞の橋の上、逃げることはできません………

結局5分近く、その車の後ろで無表情でうつろな瞳の子供と睨めっこです

………

なんとか橋を渡りきり、ワゴン車は右折、私は左折したのですが、速効路肩に車を止めて、激しく吐きました………。

あの男の子が何だったのかは未だに謎です。無表情なんですが、今思い出しても鳥肌が立つくらいヤバい雰囲気を発散してました………。

すみません、私の話には基本オチがないのであんまり怖くないですね(笑)

怖い話投稿:ホラーテラー 今は40代…さん  

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