中編2
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妖しき友人

クラス替えが終わり、新学年が始まった。

クラスの皆とも馴染んできたある日、Aが『オレには超能力があるんだ。見せてあげようか?』と言ってきた。

『超能力?なんだそりゃ?』と訝しむ僕に、『まぁ透視能力というか、君が思って念じたことを読みとれるんだ。実際にやってみせよう。』とAは提案してきた。

昼休み、僕とAは机を挟んで向かい合って座った。

『ここにペンとメモ用紙を用意した。オレがいろんな事を質問するから、答えを考えてくれ。』とAは言った。

『分かった。』

『よし、じゃあ始めようか。まず手始めに…そうだな…旅行してみたい国は?』

『う~ん……旅行してみたい国…うん、決めた。』

『決めた?OK。おっと待って!まだ言うなよ!読みとるから。』

Aはそう言うと、何やら僕の顔を見つめ、思いついたかのように手の中に入れたメモ用紙にペンを走らせた。

『まぁ十中八九この国だろ。』そう言いながら、メモ用紙を折りたたみ、無造作に机の端にその紙を置いた。

『じゃあ答え合わせだ。どこの国かな?』とのAの問いに、『イタリア。』と僕は答えた。

『やっぱり!』とAは満足気な顔をした。

『じゃあ次の質問。好きな教科は何?』

僕は少し考え、ひねくれた答えを思い浮かべた。『決めたよ。』

『うん、じゃあまた読みとるからな。』

そしてAはまた手の中のメモ用紙に何かを書き付け、折りたたんで先程と同じところに紙を置いた。

『で、答えは?』

『音楽。』

『案の定、変わったことを思い浮かべてたなぁ。』Aはそう言うと、次の質問に移った。『好きな芸能人は?』

このような流れで4個ほど質問を終えると、『じゃあ、最後の質問。う~んと…質問を考えるのも大変だな。んじゃ、オレの超能力を疑ってる?』

この質問は、もちろん“ハイ”だ。

『いいよ。決めた。』

『OK。じゃあ書くよ。』

書き終わると、Aは同じようにして折りたたんだ紙を山に加えた。

『以上で終わりだ。確認してくれ。』

そう言うとAは紙の山を僕の方に押しやった。

試しに一つ開けてみると、そこには「おんがく」の文字が。

まさかと思い、僕が全ての紙を開くと…

「あやせはるか」「yes」「イタリア」「パンダ」

『!!全部当たりだ!』

『なっ、超能力があるって言ったろ?』

Aがいたずらっぽく微笑むと、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。

呆然とする僕の前で、机の上の紙がカサカサと風に揺られていた……

怖い話投稿:ホラーテラー うみんちゅさん  

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