加藤曳尾庵著「我衣」より(江戸時代)

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加藤曳尾庵著「我衣」より(江戸時代)

古典の怖い話好きの方はご存じなのかもしれませんが、最近読んでこわかった話なので投稿します。読んだものに現代語訳が載ってなかったので勝手に訳しましたが、意味が間違っていたらすいません。本当は生々しさがある分、原文がおすすめですが古文は横文字サイト辛いので・・。

文化6年(西暦1806年)、小笠原の役人が中川常春院に語ったものを、事件の2ヶ月後作者が伝聞し記録したものと記述されています。

十月の始めごろ、豊前(福岡県)小倉領に妙なことがございました。

杣(きこり)というものは大勢で山に入り大木を伐るとき、30日余りも山に居りますので、小屋を建てて5・6人づつ住まうのだそうです。

その日5人の杣が酒を飲みに山を下りたのですが、一人の杣があとに残りました。

日頃から病がちでろくに仕事もできない、いたって虚弱なものであったそうです。

日暮れに5人が山に帰りますと、残っていた男が言いますには

さて貴殿たちを待ちかねた、今日皆が留守のうちにこの軒口に鳩ほどのものが来た、毛色が五色で見事なことこのうえもない。はなれも飛びもしないのでそばの小石を取って打ちつけてみたら胸に命中したようで落ちて死んだ。毛をむしって煮て食べてみたら例えようもない美味であった、何という鳥かは知らないが皆にも食べさせようと残しておいた。さあ食べ給え。

杣の間では見慣れぬ鳥は食うものではないと言い伝えられておりましたので、5人の杣はそれを引き合いにして断ったのだそうでございます。

するとすすめた側は これほどの美味なものを喰わぬということがあるかと怒り出し、口論となりました。それがこれまでのひよわな男に似つかわしくない強い勢いであったそうで、次第に立ち騒いで相手につかみかかる様子でした。5人はおどろき取り押さえようと致しましたが5人がかりの力も及びません。投げつけはりのけして狂いまわるさまに5人も恐ろしく思って家から逃げ出しました。

大木すらねじ切りながら男が追いかけてくる様子を見て、5人はとてもかなわぬと必死に山をおりてようやく逃げのびたのだそうですが、その夜は山鳴りがひどく恐ろしいさまであったとか。

放置もできないので地頭へ訴えがおよび、役人の指図を待って7、8日が過ぎました。

のち役人大勢、鉄砲を持った猟人7,8人、さきの杣5人、人足30人を集めその山に登ったのですが、半分ほどのところで人の腕やら首やらが切れ切れに転がっております。衣服に見覚えのあるものがあり、隣の山で作業していた杣仲間が何も知らず小屋を訪ねて災いにあったのだろうと思われ、それ以上一足も登れずみな引き返してしまいました。

どういうことかはわかりませんが、奇怪なこともあったものでございます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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