短編2
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ナタモウチ

またもや知人Kから仕入れた話。

Kの地元の村には昔からの決まり事がある。(詳細な場所は伏せるが中部地方のある県にある、いまだに合併もしてない小さな村)

で、その決まりというのが変わっていて、

・奇数月の3日の日は子供は自分の家にいてはいけない。

・村の出入り口(北と南、東がある)のうち、東側の出入口は村から出るときだけしか使ってはいけない。

・村の中で物の貸し借りは絶対禁止

以上の3つだ。

どうみてもおかしい。入り口の件はまぁ今は使ってないからとかの理由で無理やり納得できなくもないが、後の2つは明らかに不自然なルールだ。

実はKも何故そんな決まりがあるのか知らなかった。ただそういうもんだと教えられて育ったから、特に気にしてなかったそうな。

しかし大学に入って周りにふとその話をしたら、やたら怪しいを連発されたので、次第にKも気になりだしたらしい。

確かに思い返せば怪しいことこの上なしだ。

早速Kは実家に帰り、例のルールについてKのじいさんに聞いた。

このK爺は俺も知ってる。ちなみに何回か泊まりにいったからKの村もだいたいはわかる。

K爺は、「大分昔からの決まり事やでわしも知らんことが多いが…」

と言いつつ説明してくれた。

まず第一に、この決まり事は「ナタモウチ」?というモノに対するルールだということ。

ナタモウチってのがなにかはK爺もよくわからない。ただアレは怖いもんだから絶対に決まりを破ってはならん、と教えられてきたそうだ。

逆に決まりを守ってさえいれば、ナタモウチの脅威をやり過ごせるという。

奇数月の3日に子供が家にいてはいけないと言うのは、子供を取りにきたナタモウチから身を隠す意味がある。(正確には村中の子供をシャッフルして、その日だけは他の家に泊まるようにするらしい)

村の東側の出入り口が村を出るときしか使ってはいけないのは、ナタモウチを連れて来ないように。

(南北の入り口には地蔵と寺が有るから使っても大丈夫だそうだ)

物の貸し借りを禁止してるのに関しては、残念ながらK爺にも不明とのこと。

ただこの3つの決まりを一つでも破れば、ナタモウチがやって来る…と。

Kにしてみれば、とりあえずナタモウチとは何者か?村に来たらどうなるのか?という点もすごく気になったが、残念ながら詳しく知っている人はいなかった。

過去に何回か大きな事件(災害?)があって村人が多数死んだこともあったらしいが、ナタモウチと関係有るのかどうかわからない。

なんかスッキリせんし気持ち悪い話やけど、妙に気になったんで投稿した。

怖い話投稿:ホラーテラー Qさん  

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