以前1人暮らしをしていた部屋での事です。
特にいわく付きという部屋ではないはずなのですが(確認してないのでどうだかわかりませんが)住み始めて3日目位から金縛りにあうようになりました。
私は霊感など全くなく、金縛りは体が寝てて頭が起きてる状態だと聞いていたので『やべぇ頭使ってねぇ証拠だな。だからバカなんだな。』
なんて思ってたくらいで特に気にしませんでした。
当時ハムスターと同居をしていたのですが(名前ハムちゃん、ネーミングセンス皆無)そのハムちゃん、夜中に回し車でカラカラカラカラ遊ぶのですが私が金縛りにあう時は何故か決まって静かでした。
そんな金縛りライフが続いて睡眠も浅く、同時に食欲も無くなりものすごい勢いで体重が落ち始めました。
ある日、仕事が終わりくたびれて帰宅。
ハムちゃんにひまわりの種をあげながら
『ハムちゃん、体しんどいよー痩せていくのに体重いしさ〜ハムちゃん明日かわりに仕事行ってきてー』
『かわってくれたら、よし!奮発して高級なビスケットでも買ってこよう!』
なんてハムちゃん相手に喋りすぎだろと思いながら寝る準備をしました。
さて寝よう!と思い、いつもならそのままベッドにまっしぐらなのですがこの日はなんとなくハムちゃんの所に行き
『なんか愚痴ってごめんね。今日は寝れるといいんだけどな。明日ビスケット買ってくるから楽しみにしててね。おやすみ。』
とおやすみの挨拶と頬ずりをしました。
グリグリしすぎて噛まれましたけど。
ほっぺが少し痛む中就寝。
数時間後いつもの金縛り、ただ違ったのがプラス寒気。
さすがに何か変…と思いつつ体は動かない。
と、玄関付近から「キーッキーッ」とハムちゃんの鳴き声。
ハムスターは嫌なことをされたり怒った時に鳴くそうなんですがこの時に初めて聞きました。
(あれ…いつもは静かなのに)
なんて不思議に思い視線をハムちゃんのケージがある玄関付近へ。
(!?何…あれ…)
人の形をした黒い影?煙?塊?なんだかわかりませんが黒いものが漂っていました。
(やべぇ見ちゃったよ…)
と恐怖で震えているとハムちゃんがケージの枠をガリガリかじる音、その後ケージの入り口下部にハムちゃんが顔をねじ込んで外に出ようとしていました。
(ハムちゃん…だめ)
ハムちゃんケージの外へ、黒い物体と対峙。
その光景を最後に意識が遠のきました。
朝目が覚めてすぐさまハムちゃんのもとへ。
玄関ちょうど黒いものが漂っていた場所にハムちゃんはいました。
冷たく固くなっていました。
当時私が体験したこの出来事、相談した方の話では理由はわかりませんが何かしら私が連れ込んでしまっていた又、初めの頃は何も見えていなかったけど私の体力が落ち始めて生命力が弱ってきたがために見えた。危険な状態であった。ということだそうです。
ハムちゃんはそれに気付き飼い主である私を命がけで守ってくれた。
落胆しながらケージの中を見ると餌入れに私の髪の毛が何本か混ざっていました。脱走した時に持ち込んだようです。私の髪は長いのですが短いものばかりでハムちゃんが私の髪の毛を食べていたそうです。
私の髪の毛を食べることで黒い物体がハムちゃんを私だと思わせるようにしたのではと。
あんなにちっちゃい体で私を守ってくれたハムちゃん、私のせいで寿命を全うする事ができなかった。私は本当に駄目な飼い主です。
でも本当に感謝しています。
あの日約束したビスケット、結局食べさせてあげられなかったけど毎年お供えしています。ハムちゃん気に入ってくれてるといいな。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話