女「彼氏に殺されました。
彼の誕生日にサプライズのつもりでアポ無しで家に行ったら、知らない女と酒を飲んで仲良くケーキを食べてたんですよ!!
信じられますか?
まぁ当然キレるわけですよ。
そしたら、ベロンベロンに酔った彼が逆ギレして、気付いたら床に倒れてて頭から血がメッチャ出てるんですよ。
あっ、走馬灯って本当にあるんですね!!
びっくりしましたよ。笑
それで…」
「はい、もういいですよ。だいたいの事は分かりましたから。」
私はそう言ってから彼女に聞いた。
「それで、その彼に復讐したくて成仏出来ないと?」
女「はい。もう憎くて憎くて仕方がありません。」
「そうですか…では、地獄行きと言うことでよろしいでしょうか?」
女「はい?」
「昔から言われているでしょう?『人を呪わば穴二つ』って。御存じないですか?」
女「はぁ…」
「一応こちら側では復讐を認めています。そして、復讐を果たしたら成仏も出来ます。しかし、成仏したあとは地獄行きです。」
女「地獄…行きですか?」
「ええ、地獄行きです。」
さすがの彼女も少し思い止まったみたいだ。
だいたいまだ、悪霊にもなっていないのに復讐なんか出来るわけない。
と言うより悪霊になってしまったら、もう手のつけようがない。
そんな事態を未然に防ぎ、悪霊一歩手前の浮遊霊達を大人しく成仏させるのが、我々の仕事だ。
「地獄行きでよろしければ…」
女「…わかりました。それでもかまいません。」
「はっ…はい?」
女「ですから、地獄に落ちていいので復讐させて下さい。」
とんでもない失敗をしてしまった。
諦めさせるつもりが、逆にその気にさせてしまったみたいだ。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話