短編2
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小さい頃の夢*

初めて投稿させて頂きます、咲良と申します。

怖くない話かも知れませんが、読んで頂けたら幸いです。

最近は見ないのですが、昔、小学生の頃何度も何度も見た怖い夢がありました。

その夢はある夏祭りの夜。

浴衣を着た私と友達数人。

夏祭りの会場を後にして暗い夜道を帰っていました。

しかし目の前にあるのは長い登りの坂道。

坂の上には大きくてとても綺麗な満月が浮かんでいます。

「こんなに大きな月、珍しいな」

月を見ながら坂道を上ります。

周りはとても静かで私と友人達の下駄で歩く足音しか聞こえません。

坂道も終わりに掛かると、満月の前に人影が見えました。

月の光が逆光になっていて、顔は見えない筈なのにその人の顔はハッキリと見えました。

背丈は小さく所謂、小人さんの様で(差別用語だと思いますが…)男性でした。

顔は血だらけで、手には大きな刃物を持っています。

髪の毛は少なく、血に濡れた髪が肌に貼りついていて物凄く不気味。

目を見開き、大きく呼吸をしながら口は裂けんばかりに開け、笑っています。

男を見た瞬間私達は今上ってきた坂道を一気に走り下ります。

けれど何故か足がうまく動きません。

まるでスローモーションになっているかの様に。

それでも男は走り笑いながら此方へ向かって来ます。

「……早く…っ!!早く……っ!!」

気持ちばかりが焦り何度も転び、それでも前に進もうと藻掻く私が振り向くとすぐ後ろに男が立っていました。

もう駄目だ……

そう思った瞬間、目が覚めます。

いつもいつも同じ場面で。

あの男に捕まったら私はどうなってしまうのか。

またこの夢を見ない事を祈ります。

長々と読んで頂き有難う御座いました。

怖い話投稿:ホラーテラー 咲良さん  

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