これは、私が大学生の頃の話である。
私は、同じ学科の(A)に泊まりにおいで!!と誘われた。
Aは実家住まいである。
よく、同じ学科の仲間に『泊まりにおいで!!』『遊びにおいで!!』と誘うのだが、皆行きたがらない。
私は、特に気にせず…泊まりに行くことにした。
Aが私のアパートに、車で迎えに来てくれた。
Aの家は、普通の一軒家で、優しそうなお母さんが出迎えてくれた。
ちょうど正午頃だったのでAのお母さんが手料理を振る舞ってくれた。
昼ご飯を食べたあとに、二階のAの部屋に入った。
普通の男の部屋で、CDが沢山あり、ギターが置いてあった。
お互いに、好きなアーティストの話をしたり、しばらく雑談した。
時計が3時を回った頃、Aが『腹減ったぁ〜』といい、一階に降りた。
オレは、お菓子でも持って来るのかなぁ??と思っていたら、
がっつり系の焼肉弁当を二つ持ってきた。
A『はい。どうぞ!!』
私『オレはいいよ… まだ腹減ってないし!!』
A『せっかく持って来たのに…食べようよ!!』
オレは、仲良くなって間もない ってことと 遠慮がちな(NOと言えない)性格のために、渋々食べた。
かなり苦しかった…
しばらく、本棚にある漫画を呼んでいたら、
Aが『カラオケに行こう』と言い出した。
私は、満腹なお腹をさすりながらカラオケにいった。
歌う度に吐き気がした。
Aは上機嫌で歌を歌っている。
カラオケ屋からでたら夕方6時頃だった。
Aの家に戻ったら、Aの母が夕ご飯を作っていた。
A母『今日は、トンカツだからいっぱい食べてね!!』
A『ちょっと間食して腹一杯だから、しばらくして食べるよ!!』
A母『バーカ、何食べたのよ!! ○○(私)君はお腹空いてない?』
私『大丈夫です!!』
A母『ラップに包んで置いておくから後でチンして食べてね!!』
『あとバスタオルとパジャマここに置いておくからね!!』
Aの部屋に戻った。
A『オレが歌った曲の中でどの曲が良かった?』
私は吐き気で覚えていない…
私『最後から三番目に歌った曲、いい曲だよね!!』
適当に答えた。
A『あっ!○○の○○ね!!』
『ここにCDがあるから聞いてみよう!!』
洋楽のアルバムを二枚聞かされた。
その後、DVDのプロモーションビデオを最後まで見させられた。
気が付けば、夜10時を過ぎている。
私は腹が減ってきた…
Aはギターを披露し始めた。
A『この部分が、○○のAメロの部分だよ!』
私『上手いねぇ!!』
午前0時を回ろうとしている…
私は空腹がマックスになりそうだった。
遠慮がちな性格のため、ストレートに『飯食わせろ』と言えなかった。
私は遠回しに
『喉が渇いた… 何か飲み物ない?』と言った。
台所の冷蔵庫に辿り付き、テーブルの上にある『ラップに包まれたトンカツ』に気付かせる作戦だ!!
するとAは、片手に麦茶、片手に缶ビールを持ってきた。
私が酒嫌いのために、気遣ったのだろう。
失敗に終わった…
Aはビールを飲みながら、ギターを引いている。
午前1時半 腹が減って死にそうだった。
私は、やや遠回しに、
『腹減った〜、そこにあるチョコレートの食べかけ貰っていい?』と言った。
するとAは、
『いいよ〜!!だいぶ前のヤツだよー 』
と言った。
またまた失敗に終わった…
Aは、なぜ腹が減らないのか…
ビールを飲んで腹が膨らんでいることに気付いた。
私は最終兵器として、
『この近くコンビニ無いの? 何か食べ物買いに行きたいんだけど!!』
すると、Aは
『ちょっと遠いし、夜遅いからやめよ… そろそろ寝よう…』と言い
イビキをかきはじめた…
私は腹が減って眠れなかった。
午前4時、腹が減ったを通り越して、胃が痛くなった。
なかなか寝付けない…
頭が痒くて、体が気持ち悪い…
そっか… 風呂にも入ってない…
夜が開け、小鳥のさえずりが聞こえ初めた…
ようやく眠気がきた。
するとAが、
『起きるよ――!! 時間がもったいないよ!! 』
起こされた…
A『さぁ、朝ごはんにしよう!!』
朝から、トンカツ定食だった…
胃もたれしそうになった…
するとAは
『もう一泊する〜!?』
と聞いてきた。
私は即座に、
『NO』と答えた。
私は、家に帰り 胃薬を飲んで熟睡した。
他の友人に話しをしたところ、彼の部屋は、通称『監獄』と呼ばれているらしい…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話